昔(20代)の筆者というのは思考回路がボクシングのことしかなく、いわばボクシング教原理主義者のようであった。何を考えるにしてもまずボクシングのことしか頭になく、読む雑誌もボクシング専門誌のみと非常にアンバランスな物の考え方をしていた。

しかしここ何年かのボクシング界の問題なので、ボクシングに対する熱が覚めてきているのも事実である。いわばボクシング教という宗教から還俗(げんぞく=聖職者が一般人に戻ること。日本なら昔の僧侶が侍になること)してボクシング以外の思考回路を持つようになった。不思議なものでボクシング教原理主義者だったかつての頃より、一般人の思考に近い今の方がボクシングに対する考え方は深くなっているような気がする。以前ラジオで登山家の野口健氏が「大人になるためにはバランス感覚が必要だ。しかし最初からバランスを考えていたら行けるところまでいけない。」とおっしゃっていたが自分でもレベルは違うが当てはまるところはある気がする。バランスをとることで大人になっていくような気がしていく。