先日、筆者が契約しているWOWOWのドキュメンタリーでサッカー元日本代表監督の岡田武史氏が中国スーパーリーグで指揮を執っている番組を見た。
岡田監督が中国人選手に自立心や自主性を重視する指導で、自分の中国のクラブを強化する姿(生活態度の悪い選手の契約解除のシーンもあった)は一サッカーファンとしても興味深いものであった。

しかしこの番組で何より興味深かったのはシーズン終了後、岡田監督が日本に帰国して千葉県内の大学で講演会をやった時の映像である。岡田監督曰く「現代社会での民主主義に限界がきている。」「衆愚政治だ。」とおっしゃっていた。岡田監督は単に(日本でも中国でも)サッカーチームを纏めるだけでなく、日本や他の諸外国の統治(政治)まで大局観をもって、現代社会を憂いていた。そして岡田監督はこうも言っていた。「今、日中関係が色々言われているが中国に来て日本人と言う理由で中国人に嫌な思いをしたことは無い。」と断言していた(別のシーンで岡田監督のチームが下位に低迷している中でのアウェイの移動の空港で、サポーターがブーイングではなく、誕生日を歌で祝ってくれた事を話していた)。

岡田監督は昨今のアジアの摩擦にも憂いているのかもしれない。以前から筆者(不器用貧乏)は2013年6月20日のブログ、「雇用」でも書いたが、この時中国の雇用と東アジアの外交に関しての筆者自身の主観を語ったが、この岡田監督の言葉を借りるまでもなく今の日本(というよりは東アジア全体)に既存の政治を含めた社会構造の在り方に金属疲労を感じざるを得ない。

今、筆者が考えるのは今回名監督が発信してくれた日本国内の問題(政治でも外交でも教育でも)や東アジア関係に対するメッセージに対して、今の日本社会や東アジアとの問題への犯人探しではなく、日本社会が色々な分野でもそうだが(政治でも経済でも何でも)、自分達はどう在るべきなのか?、日本社会で自分の出来る役割はなんなのか?、を国民一人ひとりがみんなで答えを模索していかなくてはならないのでは、と筆者は感じた。こういう問題に解りやすい正解がすぐ出てくる訳では無い。そもそも正解そのものがあるかどうかもわからない。しかし我々は色々考えなくてはならないと思った。

明日(2013年6月27日)のブログはお休みかもしれません。ご了承下さい