五月の末に就職活動を終え、シンクタンクのSEとして働くことになりました。本当はメーカーの研究開発を希望していたのですが、やりたいことのできる二社とも面接で落とされてしまい、SEに落ち着きました。

 現在修士二年であと半年強で就職と思うと、大学~大学院の六年は実にあっという間だったと感じます。この六年(現段階では五年半弱)を振り返ると、自分で言うのもアレですが随分成長した期間だったと思います。

 さて、私の好きな漫画にハンターハンターがあります。この中で主人公ゴンの父親ジンが次のようなことをいいます。
「大切なものは、欲しいものより先に来た。」
普段漫画のセリフの中で感銘を受けるような言葉には出会ったことがなかったのですが、これだけは別でした。と、いっても初めて読んだときは特に何も感じず、最近になってハッといい言葉だと感じた次第です。
 私は自分の好奇心を追求するために大学に入りました。興味がある分野の研究室があるからこの学科を受験しようと考えたのです。結果大学院まで進学し、希望の研究室でしごかれながらも研究成果をあげることを目指しているわけです。実は最近になって成果が出たので、今はそれをまとめて学会発表・論文投稿の準備をしているのですが。この自分の研究成果を得られるまで、私は多くの大切なものを気づかぬ内に手に入れていました。それは自分自身の能力(壁にあたっても何かしら解決案をだしたり、問題点を正確に見抜く能力であったり・・・)と研究室の仲間たち(私が研究の悩みをぶつけると一時間でも二時間でも一緒に悩み、彼らなりの解決案を与えてくれます)です。多分一番苦しかった時期、一番もがいていた時期は気付かなかったのですが、最近落ち着いてきて、そしてふとハンターハンターを読み直して気づかされました。自分の得たものが掛け替えのないものだということ。そして本当に大切なものは、欲しいものより先に来ていたのだと。

 残り僅かな学生生活の後、社会人になりますが、この事を忘れずに欲するものへ全力で向かっていこうと思います。きっとその過程でまた大切なものに出会えると思いますから。
 もしこの文章を読まれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ何か一つ求めるものに打ち込んでみてください。求めるものが得られたかどうかはさておき、きっと気づかぬ内に大切なものが得られていると思います。