~初めてキミと出逢った日。
「凛!今日転校生来るの知ってるか?」
拓哉くんが聞いてくる。
「知ってるよ!イケメンって噂だよね」
「なに?お前、面食いだっけ?」
拓哉くんは少し不機嫌になりながら、携帯電話を取りだし操作したあとわたしにディスプレイをみせた。
そこには幼い頃のあたしと拓哉くんと…小さな男の子が映った写真があった。
「なにこれ?」
「覚えてねーの?」
わたしは、もう一度ディスプレイをよく見た。
「あっ!朝日くん…」
朝日くんとは、拓哉くんとわたしの幼馴染み。
小さい頃はいつでも三人一緒だった。
しかし朝日くんの両親の仕事の関係で三人は離ればなれになった。
拓哉くんとわたしは同じ高校に、朝日くんは海外の高校に進んだと聞いていた。
「今日来る転校生は朝日だよ」
拓哉くんは携帯電話を直しながら言う。
「うそ…朝日くんなの?」
「うん。昨日電話きて、俺もすっげー焦った」
「朝日くん…」
朝日くんとわたしには特別な感情があった。
小学二年のとき、朝日くんはわたしたちの元から消えた。
わたし、朝日くんが海外に行ったあとずっと泣き続けたっけ。
そばに拓哉くんがずっといてくれたから、わたしは拓哉くんに恋をすることを決めた。
だけど…心のどこかには小学二年生の朝日くんの姿があった。
拓哉くんを好きになっている自分は、偽りなんだって思っていた時期もあった。
そのたびに自分を責めて、拓哉くんに電話したりメールしたり…朝日くんの存在自体を消そうともした。
今は拓哉くんしか好きじゃない。
拓哉くんがわたしの全てだもん。
完璧な片想いでも、拓哉くんを見ると胸が苦しくなる。
だけど…だけど、拓哉くんの口から朝日くんの名前を聞いて動揺した。
朝日くんはわたしのこと覚えてるのかな?
時間になり、担任が教室に入ってくる。
クラスは一瞬にして静かになり、転校生朝日の登場を待った。
「みんなわかってると思うが、今日から転校生がくる」
担任が言うと、クラスはざわざわしはじめた。
「呼ぶぞ。三上…」
朝日くんが教室に入ってくる。
「三上朝日です。よろしく」
…全てが変わっていた。
容姿も声も体つきも。
イケメンを越えている良い男になっていた。
この日から…わたしの心は揺れ始めたんだ。
~ Love...*two
