Keep climbing 左から 鞍掛山(写真左側)、駒岩、中央円錐形の山が大岩山 (日向山より撮影)

12月に入り、仕事柄、会社としての休みはゼロなのでシフトを見ながら休みを取らなくてはならない。立場上、一番休みを取りにくい立場にいるが、精神衛生上からも山行きが必要と考え、強引に南アルプスに出掛けてしまった。今年は、この山行が最後の山行となるだろう・・・

日向山は以前登ったこともあり、気軽に親しめる割りに深山を感じさせる雰囲気があり、とても大好きな山である。前回は春山で鞍掛山方面にはしっかりと残雪があったので敬遠していたが、鞍掛山はいつかは登ってみたいと思っていた山。

かの松濤明(まつなみあきら)氏も南アルプス大縦走の折に甲斐駒-大岩山ー鞍掛山-日向山と歩いていて「日向山は明るい山である。花崗岩の風化した砂の斜面で、明るい太陽が燦燦と輝いている。北面には真っ白な岩稜が数本薙ぎ落ちている」と記している。

山深い南アルプスにあり、前衛峰の気楽さからか、疎林の針葉樹、落葉した広葉樹のお陰なのか、高曇りの空にありながら、今回も明るい縦走を楽しむことが出来た。

以下、山行報告・・・

0710登山口(1100m)ー0825日向山山頂(1660m)ー0830雁ヶ原
忘年会続きでノートレーニング&メタボに拍車が掛かるボディではあったが、それなりのペースで山頂到着。北には八ヶ岳連邦、南には甲斐駒を始め、アサヨ峰、鳳凰三山までばっちり見ることが出来た。何時来てもここから眺める景色は素敵である。
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写真中央が甲斐駒ケ岳、その右側手前が鞍掛山 (左前方で写真を撮っているのは同行者Tさん)



0850雁ヶ原ー0900鞍掛山分岐(1589)-1020駒岩(2029)ー1100鞍掛山(2037)ー1110見晴台。 
分岐からヤセ尾根のアップダウンがしばし続く、1590m辺りの取り付きから1800m辺りまで急登で良いアルバイトが続いた。道中踏み跡も落ち葉に埋も れ殆どない状態が続く。

駒岩で荷物をサブバッグに移す。駒岩から鞍掛山は、鞍部まで約80m~90mほどアップダウンがあるのでひと気がなければ駒岩に荷 物をデポすることを勧めます(笑)鞍掛山は、樹林に囲まれた小さなピークで小さな標識がひっそり佇む姿が印象的でした。

鞍掛山見晴台から眺める景色は圧巻で、すっきり晴れていたらここに勝る甲斐駒の展望地もそうはないと思うに十分な場所です。朽ちてなお存在感を感じさせる 多くの石像(不動明王とか・・・)が配され、甲斐駒を守る姿に山岳信仰の一面を見た気がした。見晴台では、フカヒレ雑炊とコーヒーを沸かししばしのブレイ クタイム。

1150見晴台-1220駒岩-1315分岐ー1400錦滝ー1420矢立石登山口
鞍掛山ー駒岩間は、明瞭な踏跡や登山道もなく、リボン等を頼りにそれなりに道を歩くしかないのだが、鞍掛山からの帰路、リボンを見失い、柔らかい斜面を少 しの間、トラバースした。向かう尾根は直ぐそこなので事なきを得たが、これからの季節、積雪による踏み跡の消滅や落ち葉等に埋もれた登山道など誤りやすい 場所では地形図と高度計・コンパスなどを眺めながら歩くなどの細心の配慮が必要となる。

【雑感】甲斐駒の雄姿と冬枯れした山を楽しむ今回の山行。絶好の登山日和とはいかないまでも、日頃の行いが効を奏した(!?)のか、40%近くあった降水 予報は大いに外れ、落葉した唐松やシラビソの疎林の中を移り行く季節を感じながら楽しく歩くことが出来た。次回は季節を変えて、大岩山まで足を伸ばしてみ たいと思う。

所々、積雪した路面に動物系の足跡が多く、冷や冷やしたが、熊に出会うことなく山行を終えられたのが何よりも良かったと思う(笑)

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話題沸騰!GPSゴーグル・・・こりゃ買うっきゃないでしょ!!


秋山シーズンも後僅か・・・2000mを超える高山では、季節は既に初冬を通り抜け、冬の真っ只中に突入しています。先日、雪崩事故が発生した立山周辺(標高2400~)も既に積雪は2mを超え山スキーを楽しむ人たちで賑わっています。

私も来週にに南アルプス甲斐駒ケ岳の前衛峰である、日向山-鞍掛山への登山を最後に山スキーモードへと移っていきます。昨年は右肩の手術があったので冬はスキーも登山もお預けだった分、今シーズンはそれなりに楽しみたいと思います♪

そんな中、山スキーボルテージがドバッ~ンと上がる新製品が発売され巷で賑わっています。

Keep climbing Keep climbing それは、なんとGPS機能のついたゴーグル!

ゴーグルの中から見れるモニターには、スピード測定、スピン回転数、角度指定に確認モード、ストップウオッ チ、外部の温度計、時間、GPS機能搭載、USBチャージャー、データトランスファーなどが搭載され山スキーヤーには垂涎の機能が満載です。



Keep climbing 凍てつく外界では、時間を確認する作業も高度を確認する作業も寒さとの戦いになるのでそれだけでも嬉しい機能。

ホワイトアウトした状況においてもある程度の高度と方向(角度)が確認できることは、精神安定上においても大きなメリットとなるだろう。






何せ情報量が少ないので詳しい機能や使い方は分からないが、「思い立ったが購入日」の私にとってクリックまでにさほど時間は掛からなかったのはいうまでもない(笑)


今シーズンの皮切りは、来月早々神楽山あたりになるだろう。


Keep climbing









ボージョレ ヴィラージュ・ヌーボ ノンフィルター Domaine Manoir du Carra

今年のボージョレ・ヌーボ!旨いですね~。昨年2009年は、フランス全土の天候気候がワイン造りにおいてパーフェクトと呼ばれ、近年の2005年を凌駕するグレートビンテージだと云われております。しかしボージョレに関して云えば、2010年の出来映えは(個人的には)昨年の2009年より秀でた骨格や味わいであるように感じます。

先ず、第一に素晴らしいのはボージョレとは思えない骨格ですね。所謂骨格が良いとは、豊かで、タンニンがしっかりとしていて、構成がしっかりしているワインのことを指します。どちらかというと流れるような薄いワインであるボージョレとは逆の表現なのですが、2010年はこの骨格がしっかりしていると感じました。


Keep climbing

2本目 Selection de Cave de Julienas 2010 Beaujolais Nouveau


第二に深く芳醇なアロマ。勿論、若さを充分に活かした香りですが、しっかりと太陽を浴びて成長した良質な葡萄を感じさせます。全体的にバランスが取れていると云えますね(^^;

飲んだドメーヌのせいかも知れませんが、コクもしっかりしていました。12月中旬には、もう一段お安くなった船便が入荷してきますからデイリー感覚で大人買い(ケース)しても良いかも知れませんね♪


若いのに艶っぽい、単に早熟というわけではない、ビンテージとしての秀逸さと素材自体の資質の高さを感じる出来栄え。誉めすぎてはいけませんが、近年日本でも話題になっている国民的美少女のようなワインでしょうか(^^;


Keep climbing

家族で定期的に訪れている地元の鉄板焼き屋さん(うかい亭)にていただいた1本。ポイヤックの格付けでは割とお手頃で馴染み深いシャトー・ダルマイヤックでしたが、飲んでみたのは実は初めて♪

ムートン・ロートシルトに管理されているようにラベルには、ムートン・ロートシルト、ワイン美術館に所蔵されている18世紀の小さなバッカス(酒の神様)が描かれています。


Keep climbing Keep climbing 飲んでみて感じたのは、お手頃とはいえ、ポイヤック第5級の名に恥じないほどに、立ち昇るカシスやチェリーを思わせる甘い香りと骨格の取れたしっかりとした豊潤な味わいです。淡白すぎない魚料理や肉料理との相性もピッタリのワインですね。

お値段もお手頃だし色々な料理にも合わせやすいので、野球で云えば守備範囲の広いショートストップというところでしょうか(笑)





 天然アワビをしっとり柔らかく仕上げていきます♪





アワビはカレー風味のケッパーソースでいただきます♪

毎回思いますが、お肉よりもアワビの方が楽しみかも!









Keep climbing
 腕利きのシェフがその日一番美味しい状態の牛肉を
 最高の状態まで焼き上げてくれます。

 シェフとの楽しい会話とともに目の前で調理してくれるのが嬉しいですね。











Keep climbing
食後は2階のラウンジで甘~いデザートと共に貴腐ワインで
ゆったりした時間を過ごしました。

Keep climbing

COTES DU RHONE VILLAGES RASTEAU LA PONCE 2006  DOMAINE DES ESCARAVAILLES


ローヌワイン探訪が続いています♪このワインはエノテカでブラブラしていて購入(笑)


このワイン、先ず目に飛び込んでくるのがフンコロガシのエチケット(ラベル)。テントウ虫と思いきやフンコロガシにはちょっとビックリ。その真相は17世紀まで遡ります。ワイン畑の小高い丘の上で農作業をする黒装束の修道僧たちの姿が、遠くから見るとまるでスカラヴェ=エスカラヴェイユ=フンコロガシのように見えたのだとか・・・


ファーストアタックは黒い果実のニュアンス。溢れでる芳香とまではいかないが、深く甘みの感じるブーケが心地よい秋風のように感じる。味わいはローヌワイン独特な旨味感を充分に感じてとても美味でした。


エノテカもこのドメーヌのワインをシリーズで発売していて1900~3800円と幅広く楽しむことが出来る。お試しアレ♪


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Chateau Simone 2004

忙しさにかまけてすっかりと更新癖が抜けておりましたが、更新できない期間も色々と美味しいワインをいただいておりました。それらは追々ご紹介するとしましょう(^^;

さて、久々に家内と二人きりでディナーに出掛けました。お邪魔したのは、グランドプリンス高輪の「ル・トリアノン」。豊富なワインとフレンチが自慢の名店でたまに利用させていただいております。ソムリエの田島さんにはいつも美味しいワインを選んでいただいて感謝しております(^。^) この場を借りてペコリ・・・

「南仏で良い物があれば・・・」という私のニーズに答えて、今回チョイスしてもらったのは、シャトー・シモーヌ。
このワインは、プロヴァンス地方の中心都市エクス=アン=プロヴァンスの東数キロメートルの所にあるパレットというアペラシオンで産しています。

抜栓直後から溢れるような果実感。舌触りは、グルナッシュの特徴か、深みのある味わいにもかかわらずすっきりとしてとても良い。タンニンはとても弱い。このワインなら肉料理のみならず魚料理にもぴったり合うと思いました。

ゆっくりと食事を楽しみながらワインの変化を楽しみましたが、最初は、カシスや黒スグリのような黒系のフルーツがさりげなく感じていたアロマもより深く、そして黒胡椒やカカオのようなスパイシーなモノへと変化していきました。

今までプロヴァンスのワインは飲んだことがなかったのですが、こんなにも美味しいワインを産しているとは少し驚きました。ワインはほんと奥が深いですね♪




とうとうビデオカメラを買い替えました。
(先日にSANYOザクティを買ったばかりなんですが、あれは個人用、このビデオカメラは家庭用ということで^^;)

息子が生まれた時に買ったので、かれこれ12年ぶりということになります。当時は、録画方式もアナログ(VHSC)からDVというデジタルに変わってきた時期でもありましたね。

従来機はVICTORのGR-DVLというビデオカメラ。このビデオカメラは、息子の誕生から幼少期の記録、幼稚園、小学校とあらゆるイベントに引っ張りダコでほんとに大活躍してくれました。取り溜めた未編集のDVカセットも40~50本位になっているのではないでしょうか(^^;

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今回購入したSONYのビデオカメラ


SONY NEX-VG10のPD    http://www.youtube.com/watch?v=GmHwd81El5k&feature=related

さて、映像機器の世界も日進月歩でビデオカメラを買い換えようとしたときも大いに悩むところでした。価格も結構リーズナブルになってきているし、低価格 ゾーンの機種でもフルハイビジョン撮影が可能だったり、100ギガを超えるようなハードディスクが内蔵されていたり、SDカードの大容量外部メモリが使用できたり・・・と高機能が目白押しです。そんな中、やはりアマチュア写真家(なんちって^^;)の私としてみると優先するのは、やはり「高画質・高描写性能」ということ(^^;

高描写性能ということであれば、近頃デジタルカメラの世界でも『動画撮影が可能なデジタルスチルカメラ』が登場してきております。私のメイン機であるキャノンEOSにも動画撮影が可能な1DMARKⅣとか5DMk2とか発売されていますしね(^^;

私見とすれば、写真(静止画)をメインで撮る人は、あまり動画撮影に興味がないところだと思いますが、自分の持っているレンズ資産が活かされるということであれば、高画質撮影が可能となりそれなりの興味も湧くものではないかと感じています。動画撮影(ビデオ)に興味のない人でも静止画(写真)の領域ですと興味が湧くみたいな・・・)

結果的に見れば今回購入したビデオカメラはSONYのNEX-VG10というもので、私の持っているCANON製のレンズ資産を活かせる形ではありませんでしたが、それを乗り越えるだけの魅力を持ったビデオカメラです(^。^)

閑話休題、今回購入したNEX-VG10の魅力をお伝えしていきたいと思います。


Keep climbing



【外観】このビデオカメラは、「レンズ交換式デジタルHDビデオカメラレコーダ」というカテゴリーが表しているように今までのビデオカメラにはない大口径 レンズが特徴となります。それだけでガツンとやられてしまいます。ダウンサイジングが叫ばれ続ける昨今、やはり映像機器はそれなりの大きさが気持ちの良いものです。
ハンドグリップも何か業務用カメラみたいでプロっぽいでしょ♪お気に入りの外観です。
(採点○○○○○) *満点○5つ

【操作・機能性】ビデオカメラでありながら、電動ズームが無いなどビデオカメラらしくない操作性。通常のビデオ撮影に慣れた人には、電動ズームがないことや他社製の交換レンズだとオートフォーカスが効かないことなど不満に思うのかも知れませんが、よりカメラ撮影に近い感じが私には好感触でした。
付属の液晶などもそれなりに見易いですし、CANON製などでは出来なかった高画質長時間撮影(←この機械を選んだ最大理由)が可能なのは大きな利点だと思います。バッテリーの持ちは良いとは言えず、普通というところでしょう。1泊以上の旅路では交換バッテリーが必要となります。サードパーティ製でも予備 が必要となります。
(採点○○○○)

【描写性能】今まで使っていたVICTOR製のDVカメラに比べると隔世の感があるほどに画質が良いです。CCDカメラではないCMOSセンサーを使用した利点が画質にしっかりと現れていると思います。ボケ味を活かした撮影などレンズ性能や撮り手の意思をしっかりと表現できるカメラです。

逆に言えば、カメラの持つ性能を撮り手が引き出す必要があるカメラとも云えます。(誰でもカンカンという訳にはいかなさそう。)また静止画撮影が1420万画素いう高画質なのも評価できます。
将来は、CANON製のレンズが使えるようなマウントを買うか? カール・ツァイスなどの専用レンズを買うか?こういった楽しい悩みをビデオカメラで感じられるのも嬉しいですね。
(採点○○○○)

【雑感】我が家でも2台目のビデオカメラということで色々と研究を重ねた結果の購入となりました。このカメラは運動会や学芸会といった被写体を激しく追うよりも、画角を決めてじっくり撮影するのに向いているのだと思います。(AF性能や手振れ防止機能もそれなりなので全く使えないという訳ではありませんが・・・)
紅葉の秋山や白銀の雪山など静止画では伝えきれないシーンにドンドン連れ出そうと思っています。今までのカメラ機材の半分以下の重量というもの嬉しいところです

残暑お見舞い申し上げます・・・・

叶えたかった夢のひとつが終わり、嬉しさ以上になんか寂しさに似たような心持ちに包まれています。
単独で山に登ることは、取り巻く多くの人たちを不安にさせ、不幸なことだということはわかっていますが、多分、次の夢に向かって直向に、努力し、準備を重ね、また挑戦していくのだと想像しています。


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つたない文章ですが、山行報告を記します。
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8月2日前夜、昨年は土砂降りの扇沢で心もとない一夜を過ごしたが、今回はうっすらと月夜も感じられる空模様。期待を胸に一人静かに車中泊。

8月3日 扇沢=高瀬ダム-烏帽子小屋-三ツ岳-野口五郎小屋

朝、荷物をまとめ扇沢のタクシー乗り場へ。一人相乗り待ちの女性が高瀬ダムへ向かうので料金はワリカンで4000円也。高瀬ダムに到着し、ダムサイト横のトンネルを抜け、0700ブナ立尾根の登山道に入る。

北ア三大急登・・・どの程度のものか!?怖いもの見たさを感じながら高度を上げていく。歩行距離の割りには良いバイトで確かに三大急登と云える登りがこれでもかと続く。もういい加減にして欲しいと思ったころ1120烏帽子小屋に到着。最後はけっこうバテ気味になった。




Keep climbing Keep climbing

小屋では、可憐なコマクサとチシマギキョウのお花畑が出迎えてくれた。曇り勝ちな雲行きを尻目に1150一路、野口五郎小屋へ向かう。暗雲が立ち込めてくると一昨年獅子岳山頂(夏合宿)で味わった悪夢(カミナリ)が脳裏をかすめるのだ。


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野口五郎小屋へ向かう稜線は、眺望こそ望めなかったが、白い砂とハイマツの対比が美しい上に、コマクサ・チングルマ・ウサギギクなどが咲き誇る楽しい稜線散歩であった。

幾つかのアップダウンを繰り返し1415野口五郎小屋へ到着する。1600小屋外で寛いでいたら曇天を我慢できずにとうとう空がワッーと泣き出した。慌てて部屋に戻りマッタリと時間を過ごす。






8月4日 野口五郎小屋-野口五郎岳-真砂岳-水晶小屋-ワリモ岳-祖父岳-水晶小屋

野口五郎小屋の夕食は思いがけず地産野菜のテンプラの盛り合わせという豪華なモノであった。小屋は割と空いていて8人部屋に4人というゆったりムード。

0445行動開始、小屋から外へ出て天を仰ぐと、遠く富士山まで一望できる雲一つない蒼天の空が広がっている。「間もなく夜明けだ。」この一瞬を逃さぬよう足早に野口五郎岳山頂へ向かう。


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山頂では絶妙のタイミングでご来光を拝することが出来た。西に目をやると明日歩く予定の水晶岳から続く赤牛岳の稜線がモルゲンロートして幻想的な雰囲気を醸している。その稜線を期待と不安の気持ち一杯に見つめていた。



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表と裏、しばしば表は明るく、裏は暗い・・・表は賑やかで裏はひっそり。この縦走路も、そんな例に漏れずひっそりとして静かであった。真砂岳山頂直下をトラバースし真砂分岐へ。ここを左に折れると湯俣へと続く名路「竹村新道」だ。いつかは通ってみたい道である。


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東沢乗越からは歩くほどに東南には鷲羽岳、三俣蓮華そして槍ヶ岳、西北に五郎池、東沢、水晶岳から続くカールが眼前に迫り言葉を失うほどに美しい。

0830水晶小屋着。宿帳に記入し「明日はここから!」という想いを強くする。小休止後、軽装備をサブザックに移し、楽しみの一つ「雲の平」に向けて歩を 進める。先ずは水晶小屋からワリモ岳山頂へ向かう。岩稜で小さなピークではあるが、鷲羽岳の圧倒的な眺望は素晴らしいものであった。


Keep climbing Keep climbing
1045祖父岳着。予定では雲の平に向かう予定だったが、翌日の英気を養うことと思いの外、祖父岳山頂の眺望が良かったので直下にある庭園(祖父庭園?)で大休止。雪渓から流れ出す泉で疲れた足を癒し最高の気分を味わう。ほんと雲上の楽園でした。


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1500水晶小屋着 終始マッタリ過ごす。
8月5日 水晶小屋-水晶岳-温泉沢の頭-赤牛岳-奥黒部H-平の小屋

0500行動開始。0530水晶岳山頂付近にてご来光を拝する。水晶岳からP2904まで嫌な岩稜帯が続く。コースも不明瞭なところもあり、視界不良・悪 天などではかなり厳しいモノとなることが予想される。0630温泉沢の頭、振り返れば冨士・槍・水晶・笠・黒部五郎・・・、東には昨日歩いた裏銀座の山 々・・・西には雄大な薬師岳が、前方には立山連峰から剣岳鹿島槍から五竜、白馬といった後立山連峰を一望できる好展望路。

そして眼前には今から行く赤牛岳が真っ赤にモルゲンロートして光り輝いている。


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将に至幸の縦走路と云えよう。今この時、ここにいることを感謝し一歩一歩、歩を進める。

0830赤牛岳山頂、山頂では富山湾から能登半島までが一望出来る筆舌に尽くし難い眺望であった。目頭が熱くなる想いを隠せず至福の時を山頂にて過ごす。 ここに来るために重ねたトレーニングや親類にかけた苦労など・・・流れ出た涙は色々な味がしたけれど、そんな想いをしばし忘れさせてくれるような圧倒的な 眺望。天恵に深く感謝した。

Keep climbing Keep climbing

0930下降開始。至福の時は山頂までで読売新道の本領はこの下降路から始まる。山頂直下は、ガレた悪路、痩せた尾根が続き細心の注意が必要な道が長く続 く。樹林帯へ入れば、滑りやすい上に「えっ!これが道!」と云いたくなるような急坂や梯子、鎖、ロープが連続する。奥黒部H側から入山していたらと思うと ゾっとする道だ。

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読売新道は、天国へ続く稜線路、地獄へと続く下降路だ。


1315這這の体で奥黒部ヒュッテ着。何時までも続くように思えた下降路のため抑え気味に飲んでいた水の心配もこれで無用だ。結局4リットル用意した水は3リットル強消費した。ヒュッテでは、活きた魚のように冷たい沢水を飲みまくり干からびた体に水を浴びせた。
1400小休止後、1720発の平の渡しに間に合うように余裕をもって下山開始。もう力尽きた感が脚にはあったが、明日の行動が楽になるしコースタイム2時間である。一度、平の小屋には宿泊したいと思っていたので行くことを決めた。

しかし道中、精も根も尽き果てるような容赦ない50段近い梯子が幾つも続く。ヒュッテで潤った体は、間もなく憔悴のそれへと変わる。ようやく黒部湖が見えるころには梯子の数も減り、平坦な道が続くようになりちょっとだけやる気が出てきた。

Keep climbing Keep climbing
1600平の渡、1720の渡し船の時間まで黒部湖に足を冷やして疲れを癒す。平の小屋は、数年前に改築を済ませた品のある外観で従来の山小屋とは一線を 画している。小綺麗な和室の窓辺から流れる雲を見ていたら、読売新道を歩き終えた充実感というよりは、親しい友人が元を離れたような寂寥感に似た心持ちが した。

楽しみにしていた読売新道が終わったのだ。


8月6日 平の小屋-黒部ダム=扇沢

0630行動開始、普段よりはゆっくりとした朝を過ごす。この黒部ダムに通じる道は、アップダウンが多い上に梯子が多く不評が多い。昨日通った奥黒部Hからの悪夢の再現かと思ったが、梯子の登下降もそれほどではなくブナの原生林が美しい奥秩父を思わせる道なりであった。

0930ロッジくろよん、1000黒部ダム、黒部ダムでは久方ぶりに見る人々の喧騒が妙に懐かしく、よれよれの自分とは乖離した違和感を感じたそんな喧騒 の中、「帰ってきてしまった。」という思いを感じながらダムサイトより遠く南に目をやると赤牛岳が悠然と聳え、「また帰っておいで。」と云ってくれている ような気がしてならなかった。

1050扇沢 帰路につく。

Keep climbing

【雑感】
裏銀座、読売新道と北アルプスでも魅力的な縦走路を天候に恵まれた形で無事終えることが出来ました。景色も最高、花も最高とくれば全てが最高といえる4日 間でした。水晶小屋では、布団一枚に2~3人という混雑ぶりで夏の北アルプスの一端を味わうことも出来ました。そして何よりも素晴らしかったのが、水晶- 赤牛間の縦走路です。将に北アルプスの中心を歩いているという実感がありました。黒部ダムまで下降せずとも水晶-赤牛感の往復でも行く価値は高いと思いま した。
以上




Keep climbing 登山護身用の鉈を購入しようと思い立ち色々とリサーチを開始。(思い立ったが、吉日男なので ^^;)
鉈にも色々と種類があって、大別すると市場の多くは先端が矩形になっている角鉈(かくなた:竹や薪を割ったりする)、ボウナイフのように刃先と切っ先をつけた剣鉈(けんなた)に分けられる。
私が欲しい『鉈』は、マタギが持つそれのように、携帯性に優れ、万が一大型獣とやりあわなくてはいけない事態でもそれなりの攻撃性を有しているもの。想像するに角鉈は打撃性に優れ、剣鉈は切創性に優れているというところだろうか!?

森吉 西根山刀(ニシネナガサ) 7寸

マタギなどが使っている『鉈』のは袋山刀(フクロナガサ)という剣鉈・・・これは柄の部分が筒状の対の金属で出来ていて棒を差し込み即席の槍に転用するこ とが可能。

今でこそマタギも最新式の猟銃(ライフルや散弾銃)を構えるようになったが、銃の信頼性が低い時代は、突進してくる大型獣(特にクマやイノシシ)に、袋山 刀(フクロナガサ)を槍の穂先に転用し一戦を交えることも少なくなかったそうだ(怖)

刃物類の産地は古くから三条(新潟)、土佐山田(高知)、関(岐阜)、堺(大阪)、武生(福井)が有名で、ネットで『鉈』と検索すると圧倒的に上記5大産地の品物が多い。中でも三条・武生・土佐山田には今でも有名鍛冶師の工房が点在し、現存する日本工芸として匠の技を後世に伝えている。


Keep climbing ネットでリサーチすると目移りがしてしょうがない。また元来、身に付けるものは、実際手に取り身に付けてみないことには実感も沸かないのだが、中々手にする場所もない・・・

叉鬼山刀の他、特に気になったのが、土佐山田の「トヨクニ」という鍛冶屋さんと三条の「日野浦司」という鍛冶屋さん。見るからに魅力的な商品が多く値段もそれなりに高い。




.................................................................................................................................................................三条:日野浦司作 籐巻把小刀「雅」  5寸

Keep climbing こういうときには、美辞麗句を並べこれでもか!と謳いあげている商品よりも、派手さはなくとも伝統を守り伝えている商品の方が買った後の満足が大きいこと が良くある。


良い商品は、素材の良さ、高い鍛造技術は勿論だが、そのもの自体がもつ創造美に溢れているものだ。





土佐山田:鍛冶屋トヨクニ 土佐鍛造ハンティングナイフ........................................................................................................................................


散々迷った挙句、最初から気になっていた叉鬼山刀(マタギナガサ)を買うことに決めた。迷ったときは最初に戻れっていうますしね(笑)この鉈を製造しているのは、西根登(4代目:西根正剛)さんが当主を務める「西根打刃物製作所」。

西根打刃物製作所をちょっと調べてみると、この会社は、3代目西根正剛(西根稔氏)が亡くなった後は奥さんが西根打刃物製作所の代表となって、稔氏の従兄弟である西根登さん(自身、西根鍛冶店の2代目)が4代目西根正剛として製造する山刀(ナガサ)を販売している。

分かりやすく云えば、西根登さん自身が経営する西根鍛冶店が『叉鬼山刀』を製造し、西根打刃物製作所に納品するといった形である。西根登さん自身も西根鍛冶店を経営しているのでネットで調べてみると、北秋田市のホームページにお店紹介が掲載されていた。

販売しているのは叉鬼山刀(マタギナガサ)ではなく、西根山刀(ニシネナガサ)。西根山刀(ニシネナガサ)は西根打刃物製作所が販売する叉鬼山刀より料金 も6寸で4割、7寸で3割ほどお手ごろになっている(嬉)

勿論、西根鍛冶店が販売する柄付きナガサには西根打刃物製作所の登録商標である『叉鬼山刀』も鍛冶銘『西根正剛』も刻印されていない。代わりと云ってはなんだが、『西根登』『森吉』と刻印されている。だが、作り手は同じである。揶揄するとすれば、叉鬼山刀(マタギナガサ)はお客さんに出す料理、西根山刀(ニシネ ナガサ)は、調理場で食べる賄い料理といったところか・・・時として賄い料理の方が、満足度が高い場合だってある。

まあ自分にとってみて山刀(ナガサ)は実用品であり、所蔵するためのものではない。土に汚れた手で扱ってナンボのものである。ましてや登録商標や鍛冶銘が重要な訳ではない。重要なのはヘビーデューティーであること「ただそれだけ!」。

西根鍛冶店さんは、ホームページはないが、通信販売は可能と記載されている。早速電話を掛けてみると、妙に人懐っこい秋田訛りのおっさんが出た。突然の電話であったにも拘らず色々と相談にのってくれた。電話口からも人の良さが充分に感じられる方であり、訛り全開の言葉で談笑しているうちに「ここしかない!」という気持ちになってしまった。

当初は6寸を購入しようと思っていたのだが、山での取り回しには、6寸も7寸も大きな差はないとのこと。7寸の方が、幾らか丈夫であるというアドバイスに従い「西根山刀(ニシネナガサ)7寸」を購入した。

今から到着が愉しみである♪

西根鍛冶店 http://www.city.kitaakita.akita.jp/kankou/bussan/pro20_01.html (注文は直接電話・FAXで!)
西根登さんの紹介 http://kirari.tohoku-kuchikomi.jp/denjin/denjin001.html  (出光HPよ り)
ナガサが作られるまで   http://www.youtube.com/watch?v=HXodS9wco3U&feature=related



Keep climbing キンタマ忘れても鉈忘れるな!」とはマタギたちの世界に古くから伝わる言葉・・・

「キンタマ」(何度も使ってすみません^^;、女性の方には悪しからずです。)は、体の一部だから忘れようもないのだけれど、山に入る際に「鉈」を忘れるということは、マタギたちにとっては、「死」に繋がるほどに重要事項であったことが、この言い回しから伺うことが出来る。

「鉈」・・・、マタギの世界に限らずとも、
林業に 従事している方、狩猟全般そして登山の世界でも鉈の有用性は認められている。藪漕ぎの際の枝や下草を払うのにも役立つ。

アウトドア全般でみればキャンプや野営などの調理でも役立つし、万が一熊や猪などに遭遇した際にも「鉈」を持っているか、いないかで生死が分かれることだって大いにあるのだそうだ。

鉈の有用性は色々とありますが、ここは、登山と直結する「熊と出会ってしまったら・・・」ということを考えてみたいと思う。

①良く云われるのが「熊も人間が怖いのだから・・・」ということ。

それはそれで事実だと思う。その点からも人間の存在を知らせる鳴り物(熊鈴やラジオ)が一定の効果があるのは頷けますね。私も登山の際には、(単独行&平 日で人と出会うことが少ない。)ガサガサッと突然山から鳴り響く物音にビクビクしながら、ストックにつけた鈴をジャンジャカジャンジャカ鳴らしたりしてい る(笑)

②熊に死んだふりは通用しない(^^;

②を実証している北海道野性動物研究所の統計で興味深い文章があったので下記に列記してみることに・・・
北海道野生動物研究所     http://www.yasei.com/

(前略)死亡事故は12件15名で、このうち武器を確実に携帯していた者は1件1名である。この人は柄の長い(5尺)鉈鎌で熊に反撃し、熊に抱きつかれて 引っ掻かれ失血死した。他の被害者は皆素手で対抗し殺されている。生還者は24件25名で、いずれも鉈、手斧、包丁、手鎌、剪定鋸、鉄棒、スコップ、 拾った石、素手だがもがいていて足で蹴るなど、積極的に熊に反撃し助かっている。これで熊に襲われての生還に、鉈など武器での反撃がいかに大事かお分かり いただけよう。過去32年間に「熊に襲われて死んだふりをして生還した事例」も「襲ってきた熊を熊除けスプレーで撃退した事例」も北海道では一例もないこ とも知って欲しい。(以上)

中々含蓄のある文章ですね。熊除けスプレーの射程は4~5mと云われていますが、熊が突進してきた場合には上手く当てられないんでしょうね(怖)。

熊の攻撃は1分と云われていますから、生死を分けるこの1分をどうやり過ごすかが重要になります。

・・・・というわけで、古くからマタギに伝わる鉈、『叉鬼山刀(マタギナガサ)』を購入しました。

レポートは次回ということで!!