ASIA CUP 2010 Report ⑨
さて、それではお話を続けましょうね
お題は・・・
① フロントのグリップ剤の塗布幅を増やす・・・
② フロントキャンバー初期値を増やす・・・
③ フロントキャンバー変化量を増やす・・・
④ フロントキャスターを増やす・・・
⑤ フロントの車高を若干下げる・・・
⑥ ステアリングの舵角を増やす・・・
⑦ 今よりも”内切れ”のステアリングリンケージを行う・・・
この中からどれをどう選択して車のセットアップを行うかだったですよね
「計測ライン付近のコーナーのラインがトレース出来ない・・・・」これがDriverの共通したフィードバックこのご要望にお答えした時の考え方
的な記述をしておきますね
上記の①~⑦・・・どれを取っても利点と欠点があるのはお解かり頂けると思いますまずはそれぞれの利点と欠点を書いておきましょうね
① 利点・・・より、多くのステアリングを得ることが出来、曲がるセットが可能
欠点・・・フロントのグリップが強くなるので、前後バランスが確実に前寄りになる
② 利点・・・ステアリングの初期反応が弱まり、コーナリング後半でより曲がる
欠点・・・今回のレイアウトだと、比較的”R"の大きなコーナーではステアリングの修正が必要となる
③ 利点・・・ステアリング初期反応はそのまま、コーナリング後半でより曲がる
欠点・・・フロントのストローク具合で曲がり方が大きく変化するのでアクセルコントロールがシビアになる
④ 利点・・・ステアリングの初期反応は若干落ちるが、全体的に小さく曲がれる
欠点・・・現れる効果が、微量でDriverが必要とする効果が得られるか微妙
⑤ 利点・・・フロント荷重しやすくなり、よりシャープなステアリング効果が得られる
欠点・・・スロットルOFF時にこの効果が一番強く現れる為に、少し五月蝿いステアリングとなる
⑥ 利点・・・ステアリングの舵角が増加するので、より小さく曲がれる
欠点・・・よりステアリングが切れるので、失速が大きくなり、転がりも減る
⑦ 利点・・・内側のタイヤで曲がるきっかけが大きくなり、より小さく曲がれる
欠点・・・⑥とは違い、ステアリング量が増えると加速度的に曲がる。失速も多くなる
ぐだぐだ書きましたけどこんな風に頭の中で整理して・・・正解を探す作業をいつもしています
今回のレースの場合、前後バランスを整えることで「グリップの喪失」を抑えてきました・・・
よって、必然的に前後バランスを崩すであろう①、②、③、⑥、⑦が消去されます
私達が選択したのは④&⑤のMix
「フロントキャスター初期値を大きくし、フロントの車高を若干下げる」
でした次はこれを行った場合の欠点を考えます
欠点・・・ステアリングを操作すると、初期の反応が強くなり、コーナーへの進入が難しくなる
だから・・・・初期反応を曖昧にする必要性が発生します
そこで・・・「トー角を若干トーインにする」これで初期反応が緩和されるはずです
解りますかね要するに、明と暗・・・・どちらも理解した上で、暗を消す
そこまでやって、セッティングって事ですね
続きます・・・