
トム・ハンクスの映画だが、その息子役のトーマス・ホーンが主役。
少年トーマスは頭脳明晰であるが、社会性が欠如していた。そんな彼は父親と「調査探検」と称する、ある種の謎解きゲームを行うことが好きだったが、9.11で唯一の理解者だった父親を失う。
ある日、父親の持っていた青い花瓶を落として割ってしまうが、中から「ブラック」と書かれた封筒、さらに封筒から出てきたどこかの鍵を見つける。
トーマスは父親の面影を追って、何の鍵かを探す「調査探検」を開始する。472人のブラックという名の人物一人ひとりと会うことで手がかりを求めて…。
トーマス・ホーンはよく知らないが、きっとアメリカの映画界では名子役であることが推察される演技の迫力である。
トム・ハンクスが追想シーンにしか出てこないのは残念だが、国際貿易センター内部に閉じ込められやがて悲劇のカタストロフィーを迎えるまで、何度も自宅の留守電にメッセージを残しているところが悲痛だ。
当時リアルタイムで見たニュース映像では、階下に逃れられず窓から助けを求めて 必死にハンカチを振っていた人々の姿があった。きっとあまりにも悲惨すぎるのでその映像はその後封印されたのだと思うが、あの中の一人にトーマスの父親がいたのだろうと思うと、悲しい。
母親にはなかなか心を開かなかったトーマスだが、トーマスが調査探索を行っている最中に母親が行っていたある行動を知り、母親の愛情の深さを悟る。ここが感動のツボである。
最初はなんとなく見ていたが、家族の絆がテーマであることに気づいた途中からこれは名作に値すると思い始めた。
評価4。