韓流の原点にして頂点が、25年の時を経てスクリーンに蘇る。
愛と衝撃の大傑作、再び！最高に嬉しいリバイバル上映。
なんと、ハン・ソッキュにソン・ガンホ、チェ・ミンシクというキャスト！
超豪華名優が揃った、今では信じられないほど奇跡的な共演！
映画「シュリ デジタルリマスター」
多発する要人暗殺事件を捜査中の韓国情報部員、ユ・ジュンウォン。
相棒イ・ジャンギルと共に、以前から北朝鮮の工作員を追っている。
北と南に分断された国家が抱える闇と悲劇が、次第に見えてくる。
裏切りと駆け引きの連続で、繰り広げられる諜報戦がスリリング。
ジュンウォンは、恋人ミョンヒョンと仲睦まじく過ごしているが。
過去のトラウマが蘇り、苦しめられ緊迫感が途切れることがない。
優しさと強さを滲ませる、ハン・ソッキュの存在感が素晴らしい。
南北の事情に翻弄されながら、自身の幸せを掴もうともがいている。
ソン・ガンホとのバディっぷりも、息ピッタリで微笑ましく楽しい。
名優たちの若き日の豪華共演も、見どころのひとつで新鮮味がある。
一方、徹底して訓練を繰り返し、心身共に鍛え上げる北の工作員。
憎しみをパワーに変え、密かに韓国に攻撃を仕掛けてくるのが恐怖。
ジュンウォンの因縁の相手であるパク・ムヨンに、チェ・ミンシク。
信念を貫く揺るぎない姿はかっこよく、恨みの深さを感じさせる。
やがてジュンウォンの周囲で、謎の女スナイパーの影を感じる。
自分の命が狙われ、危険が迫っていると知り警戒を強めることに。
恋人の身を案じてホテルに匿うが、様子がおかしいことに戸惑う。
そんな中、驚異的な破壊力を持つ液体爆弾CTXが北に強奪される。
スナイパーの正体は、ジュンウォン共々、早々に気付かされる。
分かったうえで、双方共にどのような選択をするのかが見どころ。
彼への愛と祖国への忠誠の狭間で揺れる、ミョンヒョンの葛藤。
国家を揺るがす重要な任務を課され、迷い苦悩する姿が切ない。
身分は偽っても愛は本物か、濃厚な人間ドラマにハラハラドキドキ。
そして、激しくド派手な銃撃戦が大迫力で、壮大かつ凄まじい。
アクションは見応えがあるのだが、手持ちカメラを多用している。
手振れがひどくてカット割りが細かく、見辛くてクラクラする。
まさかのジャンギルの悲劇の結末に驚き、むなしくやるせない。
同時に多くの金魚が犠牲になったであろう場面が、衝撃的だった。
液体爆弾を用いたテロのターゲットは、南北両首脳だと分かる。
ソウルのスタジアムで、サッカーの南北交流試合が開催される。
大勢が集う広大なスタジアムに場所を移し、より緊張感が増す。
任務遂行しようとする北と、阻止しようとする南の対立の構図。
ついに対峙した時、愛か国かで引き裂かれる恋人たちの皮肉。
その後に分かったことも含め、全てが切なく悲しくてたまらない。
南北問題を真っ向からとらえながら、エンタメ化している傑作。
タイトルに込められた願いも切なく、色褪せない作品だった。
南北ドラマの原点と言っても過言ではない作品を、見れて良かった。
稚拙な部分はあるものの、改めて見ても面白くて楽しめた。