ミュージカル「ベートーヴェン」 | champagne-bar-tritonのブログ 映画と観劇と浜田省吾

champagne-bar-tritonのブログ 映画と観劇と浜田省吾

福岡市にある、「シャンパンバー トリトン」のオーナーです

大好きなミュージカルを見に行って来ました。福岡サンパレスにて。


少ない公演日数でも、福岡に上陸してくれたことが嬉しい。
日本ミュージカル界屈指のキャスト競演により、日本初演!


ミュージカル「ベートーヴェン」

 


1幕75分、休憩を挟み、2幕70分という構成。

ほぼ満席だったんじゃないでしょうか。


今回の席は、なんと最前列のセンブロという奇跡の良席!
オケピがあったので、舞台までの距離は5列目くらいだけど。


やっぱ、前方の良い席で見たら迫力や臨場感が全く違う!
目の前を遮るものが何もないので、作品の世界観に没頭出来る。


偉大な音楽家で「楽聖」と称される、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。
彼の謎に満ちた人物像と、その生涯に肉薄した野心作。


愛をテーマに、父からの虐待、弟との確執、貴族からの独立と。
幻聴による強迫観念、そして叶わぬ恋のエピソードを織り交ぜる。

 


ベートーヴェンに井上芳雄さん、さすがの声量と歌唱力、圧巻だった。
雄叫びを上げるように高らかに歌うソロパートが、何度かある。


もう鳥肌が立つほどゾクゾクしたし、スゴイ!って興奮した。
今作はかなりの歌唱力を必要とされる、難しい演目だと思う。


彼の想い人、アントニー・ブレンターノに花總まりさん。ベテランの貫禄。
実年齢を考えたら、いつもこの配役どうなん、って思うけど。


儚さや可憐さが健在なので、不思議と違和感なくなるというか。
安定の抜群の歌唱力、安心して落ち着いて聞いていられるのよね。


実際にベートーヴェンが残した楽曲群に、歌詞を付けて再構築。
誰もが知る名曲のメロディが頻繁に登場し、とても馴染みやすい。


物語は、ベートーヴェンの半生を描く伝記モノであり、愛の物語。
ピアニストとして、作曲家として多くの功績を残したベートーヴェン。
生涯を音楽に捧げると誓うも、苦悩の連続だったと分かる。


ベートーヴェンは弟ガスパールの結婚に反対し、いがみ合ってしまう。
ガスパールの小野田龍之介さんと並ぶと、井上さんのスタイルの良さが分かる。


井上さん、めっちゃ細いし、足長いし、美しかったわ。切れ長の目とかも。
ちょっと神経質で、天才肌で他を寄せ付けないような役の雰囲気がぴったり。

 


やがてベートーヴェンは耳の不調に悩まされ、ますます苦悩を深めるが。
トニ(アントニー)が唯一の救いであり、癒しであり原動力のように感じた。


だがトニは人妻、それは愛のない結婚だとしても許されない恋。
障害の多い恋は熱く燃え上がるも、愛する二人は引き裂かれて1幕終了。


続く2幕の冒頭、オケピの人も皆カツラを被り、舞台に参加するのが面白かった。


ベートーヴェンは聴力を失っていき、次第に周囲に気付かれてしまうほどに。
失意と絶望に暮れるベートーヴェンだが、トニと運命の再会を果たす。


再び激しく燃える恋の炎、キスシーンも切なくも美しくて素敵だった。

ついにトニは離婚を決意するが、二人は愛を貫くことが出来るのか。


ベートーヴェンは音楽は不滅、愛も不滅だと運命に抗い続ける。
不死鳥のようなラストの神々しさに、強さとたくましさが感動的だった。


カテコになった途端、早々にスタオベとなり大興奮だった。
ここで井上さんがまりさんに劇中で渡せなかった手紙を渡し、抱き合って終わった。

愛は不滅だ、というラブレターのようだったが。


そして、会場アナウンスが始まった途端に、あっけなく解散。随分あっさり・・・。
井上さんの地元トークが聞きたかったけど、千秋楽じゃないから仕方ないか~。


チケット代金16000円は納得の豪華さと内容、生オケだしね。
2024年の観劇始め、最前列で日本初演の演目を楽しめて最高に良かった!