さて、いよいよ出発の日。

何事もなく、スムーズな出発…だったはずが、突然、

電車が急停止しました。

 

なんでも、前を行く電車が異常な音を探知し

急停車して、それに伴い周辺の電車は全て緊急停車中とか。

 

そこで、はっと思い出しました。

この路線は、それはもう、

「定刻通り走らない」ことで悪名高き路線。

 

定刻通り走らないのは、かつて私が訪問していた国の

十八番だと思っていましたが、ぬかってました、

この路線も、やれ強風だ、やれ大雨だ、やれ大雪だと、

とかく定刻通りに走れない路線だったことを忘れていたのです。

 

迂闊にも、京都駅乗り換え時間は10分弱。

 

関西の私鉄・JRは、私にはとても複雑で理解しがたく、

だからこそ特急を求めたのになぁ…

この次の特急はあるだろうけど、西ノ京に停まるとも限らないしなぁ…

一時間後、とか言われてしまうと、時間が減ってしまって困ったなぁ、と思っていました。

 

うーん、こんな時こそ神頼みすべきかな。

なんて思って祈りつつも、何の反応もなく(当然か)、

ただ停車時刻が過ぎていく中で。

 

しばらく経った後、唐突に、

「大丈夫だ」という、野太い、確信めいた声が聞こえてきました。

 

いやだってね、全然大丈夫じゃないよ?

もうすでに、10分切ってるしさぁ。

とはいえ、たかが10分だし、JRと私鉄間で、

こうした遅延のための変更なんて出来んのかね?

 

と、ようやく、定刻の10分遅れで電車は京都駅に。

もはや急ぐ必要なしと、ゆっくり歩いて私鉄駅に行き、

みどりの窓口でもらった遅延証明入りの切符を見せ、説明すると…

 

いともあっさり、変更ができました。

それも、次の西ノ京行の特急は幸いにも30分以内に出発予定でした。

 

そうか~、こうした変更は、JRと私鉄が頻繁に走っている京都では

珍しくもなんともないことなんだね。

それにさすが私鉄、近鉄はとても親切でした。

 

かつて、同じようにこの路線の特急が遅れ、

新幹線に乗り継ぎできなかったときがありました。

最初の特急は、返金の対象となる大幅な遅れだったので、

新幹線乗換駅の窓口(JR東○)にて返金の手続きをしようとしたところ、

それは(その特急を走らせている)JR○でしか出来ません、と

にべもなく突き放された経験がある人間としては、

これは進化というべきか、何というべきか…

 

とか言いつつ、京都駅で少し時間があったので、お弁当を買い、

特急の車内でやや早目の昼食を済ませました。

 

これがまた功を奏し、結局奈良の滞在時間は全て仏閣巡りに注ぐことができました。

そして結果的には、「大丈夫だ」との声の通りだったのでした。