わたし
満月の夜に
空を飛びました。


ふわっと
体が浮き上がって
目を開けたら

眼下には
漆黒の海と
百万ドルの夜景。


同じくらいか
少し上の高さに
煌々と輝く
まあるい満月。


ずっと果てなく広がる
街の灯りが
宝石箱の中に収まった
宝石みたいに
敷き詰められていて

そのすべてに
人の在る証拠を感じて
胸に迫る。



…あれ、
これは夢か。

心地よい振動と。
からだに沿うぬくもりと。
何かに抱えられて
飛んでいるような…。

羽のついたカプセルの中
だったかな。


きれいだね。
きらきらだね。
いろんな色があるねえ。
あそこはなんだろ。
あれはなあに?





ひとの想いや祈りが
集結してる。

街はそうやって
できてきたんだなあ。

ひとってすごいなぁ。

満月も
誇らしそう。


生まれる前にもこうやって
一緒に眺めていたような…。




波も立たない
静かな静かな水面に
白銀に煌めく月あかりが
プラチナみたいに光ってた。
ただ綺麗なだけじゃなく
凛とした芯のある輝きでした。



見とれていたら
地上に戻ってた。



fly me to the moon....


私の夢のおはなし。。。