~お芝居の始まりはじまり~








 








一昨年の誕生日








 








気づいたら鯉が落ちてた








とりあえず煮て食ってみた








 








普通に美味しかった








 








焼いたり、干したり、蒸したり








フライにしたり、スモークにしたり、








生でも食べてみた








 








この世にこんな美味しいものが








あるのか?








なんて事も思った








 








気づいたら虜になった








 








どんなに食べても




毎回味が違う




 




ちょっと酸っぱかったり




ちょっと辛かったり




ちょっと苦かったり




ちょっと甘かったり




 








飽きなんて来なかった






 






ほかの人が






鯉を釣ってるのを見て






なぜだか嫉妬した






釣られてる鯉には






嫉妬はしなかった






 






あたしには釣れないのに、






なぜあの人には釣れるの?






そう思ったときはあったけど






 






あたしにだけ釣れればいい






なんて事は思わなかった






 








この頃少し考えるようになった








もしかしたら






鯉が好きなんじゃなくて








魚が好きなんじゃないかって








 






でも








長い間鯉しか食べてなかったら








他の魚を食べる気にもならなかった






 






だから鯉ばかり食べた






 






他の魚を食べるのさえ怖くなった






あたしには鯉があればなんにもいらない






 






だから鯉ばかり食べた






 






でも11月のある日






サラダに鮭が入ってるのに気が付かなくて






鯉以外の魚を食べてしまった