昔の年上のお友達は、今しか着れない可愛い服を着なさいって、よく言っていた。
今しか着れない、ピンクのお花模様のワンピースを着てみようと思う。
今じゃ、遅いかな、いたいかな。
でも挑戦してみる。
似合わないかもしれない。
そのお友達は、もうこの世にいない。
乳ガンで天国に行ってしまったから。
早期発見できず、抗がん剤を使いながら学校に通っていた。
みんなには病気のことは内緒で。
頼れるお姉さん的な存在だった。
そんな人だから、今やれることはやり遂げたいという気持ちが強くて、何をするにも全力だった。
どんどん痩せていくのを見ているのが、とても哀しかった。
それでも、弱音ははかないお姉さんが言ってくれた言葉は忘れない。
だから、今しかできないことって何かな?って、時々考える。