3月10日、0時過ぎ。
父が息を引き取りました。妹とふたり、父の手を握って看取れました。最期、苦しそうに体や顔を硬直させる様子が目に焼き付き、呼吸が止まった瞬間も覚えています。妹がショックで泊まり込み用の簡易ベッドに倒れ込み、看護士さんが付き添ってくれていました。
死因は膵頭部癌でした。
急変は脳か心臓の発作的なものだったと思いますが、その原因も膵頭部癌からのものだから。
やはり、膵癌は癌の王様でした。
ほんの3ヶ月まえまで一年以上あった余命が、進行により半年に減り、急変で1ヶ月に減り。
あっという間に父の命の灯を吹き消して行きました。沈黙の臓器、膵臓。仮に健康診断を受けていても見つけにく場所だったのかもしれませんが、
だからこそ意識して欲しい臓器だと思いました。

3.11は東日本大震災が起きた命の日ですが。
同じ日に父を葬儀で見送りました。
この歳で喪主をする事になるとは思っていなかったです。成長した孫といつも行くAEONのショッピングモールを並んで歩く姿を、来年のオリンピックを一緒に観ている姿を、当たり前のように想像できていました。

お父さん、つらいつらい闘病。お疲れ様でした。
お互い口が不器用だから、喧嘩もしたけど。
それも親子だから、出来たことだね。
お父さんは私の自慢の父親です。
たくさんの愛情と思い出をありがとう。

最後に「ドーナツくれ」と言ったお父さんに、
「今日は絶食だからダメ、明日の朝まで我慢ね」と会話したのが最後だと話したら葬儀屋さんがドーナツを用意してくれました。
一緒に棺桶に入れました。

六文銭は懐に入れたからね、お婆ちゃんの忘れ物も預けたからね、忘れずに渡してね。


いつかまた、そっちで思い出話ができる日まで。
おやすみなさい。お父さん。