2018/11/23
父から大事な話があると呼ばれた。
会ってまず驚いたのは、素人の私が見てもわかるくらい「黄色いお父さん」。
肌も白目も黄色い。酷い黄疸だった。
下血で休日診療を受けた病院で膵臓に腫瘍があるから大きな病院で精密検査をするようにと言われたと言う。なのに本人は漢方薬の飲みすぎで黄疸が出ている、若い先生だから信用できないと家族への説明書だけ受け取って紹介状は貰って来なかったらしい。
今週末は運悪く三連休。その日の内に大きな病院に連れて行きたかったけど、電話した大きな病院には休日で担当医が不在のため検査できないから月曜に来るよう言われてしまった。

24日、昨日かかった病院の先生に大きな病院に連れて行くのが月曜日になっても大丈夫か確認の電話をしました。先生が電話に出てくれて「今日、紹介状を取りに来る話になって居たんですが。来られませんでした。紹介状が無くても、あの黄疸ならば直接大きな病院へ行っても診てもらえます。ハッキリ言って悪性腫瘍だと思います、ご本人様が理解されていないようなので家族様宛の説明書をお渡ししました。もう急いで行っても変わらないと思います」と言われて、凄く怖くなり妹に連絡しました。

26日、月曜日の朝一で父と大きな病院へ。
紹介状が無いので早く行っても紹介状の患者さんが先に呼ばれるので3時間待ち。
やっと診察室へ。
入ってすぐ、先生に「顔が黄色いですね」と言われました。そして私が写メっておいた家族への説明書を見せる(原本は父がどこかに置き忘れてしまった為)と顔を険しくして「これは何で紹介状が無いんですか」と驚いて言われました。仰る通りです。

「いつ頃からですか?」「いや、漢方薬を飲んでから」「では何で漢方薬を飲んだんですか?」と、的確に問診しながらカルテをパソコンに打ち込んでいく先生。

すぐに血液検査とCTに回されました。
先に診察室を出た父。私は先生に「先に診てもらった先生から、膵臓に腫瘍があり、それはおそらく悪性だと聞いています。本人は漢方薬の飲みすぎだと思っています、気が弱い所があるので、あまりハッキリと告知はしないで欲しいのですが」とお願いしました。
先生は頷いて「おそらくそうだと思いますが、まだエコーしか撮っていないので分かりません。どちらにせよ精密検査が必要なので今日から入院になると思います」と。

その後、心電図やレントゲン、造影CTなどの検査で気付けば夕方。再び診察室へ。
「胆管が何かで塞がれて胆汁が流れなくなっている為、黄疸が出ています、肝臓の数値が異常な状態なので明日この胆汁を流すためにココに管を入れる処置をします。なので今日から入院になりますね、それから糖尿病の治療も合わせて行っていく形になります、この後胃カメラを撮って…」
と「閉塞性黄疸」「糖尿病」の説明をしてくれた先生。
再び私ひとり、診察室に残り先生と話します。
「ご本人様には言いませんでしたが、胆管を塞ぐこれが膵癌です…造影を見た感じでは肝臓への転移は無いように見えます位置が良いので転移が無ければ手術出来る可能性があります」
「でも、膵臓は」
「はい、そうですね…まだMRIを撮らないとはっきりとした状態が分からないので」
「はい、よろしくお願いします」

膵臓癌は、癌の中でも最悪と言われる難治癌で。
沈黙の臓器で症状が出る頃にはかなり進行しているという。検索すれば癌の王様とまで書かれていた。この週末に調べていたので。手術が出来たとしても予後の生存率が低い事なども読んでしまった。

結果を妹に電話で報告。23日、介護職の経験者で黄疸の危険性も知っていて「救急でもいいから、すぐに大きな病院に行って!」と電話で父を叱った妹(結局、その日は行かなかったけど)を。
手術出来る可能性があると聞いてすぐに前向きになった妹を。
本当に凄いと思った。
私はどうしても、怖くて悪い方が先に頭に浮かんでしまう。
周りがマイナスになってどうすると思うけど、まだまだ先だと思っていた事が突然起きて。

今も眠れません。
一緒に住んでいたら気づいてあげられたのかな。

次は何て声をかければいいのかな。

私に出来るのは側にいる事くらいだけど。
可能な限り病院に行こうと思います。