『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』 | 音盤ながし

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

●『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
  デイヴィッド・ミーアマン・スコット+ブライアン・ハリガン著

 売れてるんですねこの本。新聞の「売れている本」ランキング、東京の書店で3位でしたよ。まあどう考えても、買った人の大多数はデッドのファンであるはずもなく、名前すら知らなかった人達だと思いますが。やはりビジネスの実用書として買われていると思われ、、、。


 グレイトフル・デッドは日本でも、オールド・ロック・ファンには良く知られた存在です。'60年代、サンフランシスコ、ヘイト・アシュベリー、ヒッピー、フラワーチルドレン、ラブ&ピース、そんなムーブメントの象徴だったロック・バンドがグレイトフル・デッドだと、そう説明されることの多いバンドです。回りくどい言い方になったのは、僕は彼等の熱心なファンではないからなんですが。


 僕の古くからのロック友達の中でも、デッドが大好きって人にはお目にかかりません。誰しも嫌いではない、嫌いになる要素が無い代わりに、強烈に引きつけられることもない、それが僕達のロック・サークルでのデッド感です。'70年代からずっと、何度もトライしたけど、僕にはデッドに惚れ込むことができなかった歴史があり(笑)、それだからこの怪物デッドの正体が知りたくて、本も読んだりして色々と考えた事もありました。

 思うに、デッドはライブ・バンドであるから、そのライブに接したことのない人には良さが判りづらいということ。そのライブも、僕達が知っているロック・コンサートとはかなり違っていること。ツアーでは、物品販売や食事やドラッグを売る人達(取り巻き)が帯同し、またツアーについて回るファンも多いということ。などなど。なんかひとつのムラが形成されていて、ムラの外にいては判りづらいということだと思っています。ムラと言ってもドデカイんですけどね。

 僕がデッドについて鮮明に覚えているのは、まだ'70年代の初めに巨大なPAシステムによる超クリアなサウンドによるライブを行っていると、写真入りで報じられたローリーングストーン誌(?)のグラビア記事のことです。あのスピーカー群にはびっくりしました。それとテープ・シェアのことも、当時からロック・ファンにはよく知られた話しでした。つまり、デッドはライブを自由に録音させていて、そのテープをファン同士が交換しあってるという話しね。へぇ~凄いね、って話しにはなるんだけど、いかんせんそんなデッドのライブに行ったことがないんだから、やはりムラの外の人間として、デッドやデッドヘッズを眺めていただけなんだよね。

 間違いかも知れないけど、フジロックの持つ雰囲気がソレなのかなと思ったり。あのライブを取り巻く開放的な雰囲気は僕も好きなので、つまりデッドのライブっていつもフジロックみたいな雰囲気なんじゃないかと。マリファナとかはないけどね。でもドラッグ・カルチャーとデッド及びデッドヘッズが結びついているとしたら、なおのこと、ドラッグをやらない人にはデッドの魅力が判らないと言えるかもしれないね。

 そこで僕なりの結論なんだけど、グレイトフル・デッドは音楽というより運動体なんだってこと。グレイトフル・デッドというムーブメント。

 最後に本書では、デッドの音楽そのものには言及しておりません。
ヒット曲もないのに”ビートルズよりストーンズより儲けてしまったバンドの秘密” ”それはフリーでシェアでラヴ&ピースな21世紀のビジネスモデル” といったお金儲けの本でした。
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ/デイヴィッド・ミーアマン・スコット
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