ふちがみとふなと『6がつのうた』 | 音盤ながし

ふちがみとふなと『6がつのうた』

●ふちがみとふなと『6がつのうた』

 ふちがみとふなとの最新アルバム。録音は盛岡、仙台が1月、いわきと小名浜が7月。つまり3.11の震災を挟んで東北の町で行われている。録音された場所も、それぞれライヴでお世話になったお店や教会のようだ。だからといって、このアルバムはことさら震災への思いを歌ってはいない。いつものふちふなさんがいる。それでも内省的な静かな歌が、いつもより印象的だ。

 ♪ かたちのない気持ち 言葉に変えてみる 好きと思った時 少し空が晴れた ~「立春」 少年のようなきれいな歌声で純子さんが歌う。純子さんの歌声は、日本中どこにもない素敵な歌声だと思う。そして不思議な歌声だと思う。この歌声は、語り部になりうる声だと思う。わたしたちの日常のあれこれを、さっと掬い上げて「気が付いてなかったでしょ?」と、そっと知らせてくれる声だと思う。まるで(高田)渡さんのように。

 船戸さんはいつもそっと傍らにいて、そっと素敵な曲を差し出し、そっとコーラスして、そして、そっとベースを添える。こんなにも、そっといることがサマになってるひとはいないと思う。

 ふちがみとふなとの歌は、会いたくなる歌で、そしてもちろん、会いたくなるふちふなさんなのだ。

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