吉沢元治『割れた鏡または化石の鳥』 | 音盤ながし

吉沢元治『割れた鏡または化石の鳥』

●吉沢元治『割れた鏡または化石の鳥』

 まるでアングラ演劇の題名のようで'70年頃の作品かと思ったら'75年作でした。プロデュースは間章。つまりフリージャズですね。吉沢と言えば『インランド・フィッシュ』を思い出すけど、あれが'74年だったから、同じ頃の作品なんですね。吉沢はジャズ界の”インランド・フィッシュ”だと、何かで読んだことがあったな。探求的にジャズを追求していたら、いつの間にか周りに誰もいなくなり、孤高の存在となってしまった、ということか。

 コントラバスのソロ演奏。たったひとりだ。ジャズの極北かといえば、以外に温かい。孤高でありながら拒絶してるわけじゃなく、人肌のぬくもりが感じられる。ヒューマンな響きがすると言えばいいか。説明しようとすると、なんか頭がこんがらがってくる。

 俺はこの演奏が好きだってことなんだ。'70年代前半、日本の若手ジャズマンがこぞってフリージャズに熱くなっていた時代、あの頃のジャズの焦燥感がすきなんだよね。『いつかギラギラする日々』って本もあったな。
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