樋口毅宏『民宿雪国』/ROBERT PLANT『BAND of JOY』 | 音盤ながし

樋口毅宏『民宿雪国』/ROBERT PLANT『BAND of JOY』

 今年は雪の量が多かったのと、重い雪が積もったせいか、家の周りの樹木がけっこう傷んだようだ。曲がったり、枝が折れたり、それでも新芽が出て花が咲く。強いね、野のものは。

●樋口毅宏『民宿雪国』
 あの『日本のセックス』の、あの『さらば雑司ヶ谷』の作者だから、面白い小説に違いないとは思っていたけど、これはなんか凄いね。タイトルにだまされた(笑)。なんとも露悪的なピカレスク(悪漢)小説だった。様々な仕掛けが用意されているんだけど、これ策に溺れてない?。読み終えてみて、これは第一章「吉良が来た後」だけで充分だったと思った。
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●ROBERT PLANT『BAND of JOY』
 2010年作品。それ程ツェッペリン・ファンでもない俺がロバート・プラントの新作を何故買って聴いてるかと言えば、それはアリソン・クラウスとの共演盤『レイジング・サンド』の素晴らしさがあったからだよね。そして本作のプロデューサーがバディ・ミラーだってことも大きい。再結成ツェッペリンの活動継続を断ってまで、本作のソロ・プロジェクトをスタートさせたのは、『レイジング・サンド』成功で得た自信が、新たなアルバムへの渇望となったのかと推測。内容はアメリカーナの巨匠バディ・ミラーを起用したことで判るとおり、アメリカン・ルーツ・ミュージックに寄ったものとなっている。ロス・ロボスの曲に始まり、リチャード・トンプソン(これは英国だけど)、バーバラ・リンやケリー・ブラザーズなど南部のソウル、タウンズ・ヴァン・ザントのカバーもあったり、ミネソタのインディーズ・バンドの曲も取り上げている。サウンドは思った以上に重厚で躍動感があり、プラントの力強い歌声とうまく合っている。
 ロバート・プラントという一大ロック・レジェンドが、ツェッペリンに寄りかかることなく、新たな音楽に挑む姿に、俺はあの「移民の歌」の雄々しさを重ね合わせる。なんだ、俺の方がツェッペリンに寄りかかってしまった(笑)
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