池上永一『テンペスト』/ROBBIE ROBERTSON『how to become ..』
●池上永一『テンペスト』上下巻
評判どおりの面白さ。極上のエンタテイメント!。『トロイメライ』がとても面白くて、も一度あの世界に浸りたく、その前編ともいえる『テンペスト』を読んでみた。これは19世紀末の琉球王朝が舞台。『トロイメライ』が那覇の町の市井の物語だったのに対し、『テンペスト』は王宮が舞台。女性でありながら向学心・向上心に燃え、宦官と偽り、超難関の科試(官吏登用試験)に合格したヒロイン真鶴♀/寧温♂。その才気で王府の重臣にまで上り、数々の難題を解決する。大きな秘密を抱え生きる真鶴/寧温のドラマゆえ、波瀾万丈は言うまでもなく、また王宮が舞台なので、浮世離れした登場人物も多く、この辺がじつに楽しいし、また悲しさもある。清と薩摩藩による二重支配を受ける琉球王国、さらにペリーの米国まで支配を狙う、そんな歴史的背景も物語に緊迫感を与え、それでも物語はエンタメとして楽しめる、これはなかなかの力業で、池上永一はなかなかに凄い!
●ROBBIE ROBERTSON『how to become clairvoyant』
ロビー・ロバートソンがザ・バンドのメイン・ソングライターとして数多くの名曲を送り出したことを熱心なロック・ファンなら誰でも知っている(はず)。歌に寄り添うオブリガートの巧さ、そしてアグレッシヴなソロと、そのギター・プレイの確かさもご存じの通り。そんな元ザ・バンド、ロビー・ロバートソンの新作。エリック・クラプトンやスティーヴ・ウインウッドなど豪華な共演者も話題のアルバムだ。ロビーのソロ・アルバムを聴いていつも思うのは、ここにマニュエルもダンコもヘルムもいないってことだ。ザ・バンドの歌声だったこの3人、ロビーの曲の表現者だったこの3人の不在を感じないわけにはいかない。ロビーのソロ・アルバムにいつも感じられるのはヴォーカル・コンプレックスだ。ザ・バンドの素晴らしい歌声を知り尽くしているロビーならではのコンプレックスだから、ある意味可愛そうと感じてしまうのは、ザ・バンド・ファンとしての傲慢さかもしれない。良いアルバムだとは思う。元ザ・バンドという肩書き抜きに、ニュートラルな耳で聴くことができれば、より楽しめるのかな。
評判どおりの面白さ。極上のエンタテイメント!。『トロイメライ』がとても面白くて、も一度あの世界に浸りたく、その前編ともいえる『テンペスト』を読んでみた。これは19世紀末の琉球王朝が舞台。『トロイメライ』が那覇の町の市井の物語だったのに対し、『テンペスト』は王宮が舞台。女性でありながら向学心・向上心に燃え、宦官と偽り、超難関の科試(官吏登用試験)に合格したヒロイン真鶴♀/寧温♂。その才気で王府の重臣にまで上り、数々の難題を解決する。大きな秘密を抱え生きる真鶴/寧温のドラマゆえ、波瀾万丈は言うまでもなく、また王宮が舞台なので、浮世離れした登場人物も多く、この辺がじつに楽しいし、また悲しさもある。清と薩摩藩による二重支配を受ける琉球王国、さらにペリーの米国まで支配を狙う、そんな歴史的背景も物語に緊迫感を与え、それでも物語はエンタメとして楽しめる、これはなかなかの力業で、池上永一はなかなかに凄い!
●ROBBIE ROBERTSON『how to become clairvoyant』
ロビー・ロバートソンがザ・バンドのメイン・ソングライターとして数多くの名曲を送り出したことを熱心なロック・ファンなら誰でも知っている(はず)。歌に寄り添うオブリガートの巧さ、そしてアグレッシヴなソロと、そのギター・プレイの確かさもご存じの通り。そんな元ザ・バンド、ロビー・ロバートソンの新作。エリック・クラプトンやスティーヴ・ウインウッドなど豪華な共演者も話題のアルバムだ。ロビーのソロ・アルバムを聴いていつも思うのは、ここにマニュエルもダンコもヘルムもいないってことだ。ザ・バンドの歌声だったこの3人、ロビーの曲の表現者だったこの3人の不在を感じないわけにはいかない。ロビーのソロ・アルバムにいつも感じられるのはヴォーカル・コンプレックスだ。ザ・バンドの素晴らしい歌声を知り尽くしているロビーならではのコンプレックスだから、ある意味可愛そうと感じてしまうのは、ザ・バンド・ファンとしての傲慢さかもしれない。良いアルバムだとは思う。元ザ・バンドという肩書き抜きに、ニュートラルな耳で聴くことができれば、より楽しめるのかな。
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