金城一紀『映画篇』/JEFF BECK『LIVE AND EXCLUSIVE』 | 音盤ながし

金城一紀『映画篇』/JEFF BECK『LIVE AND EXCLUSIVE』

●金城一紀『映画篇』
 5篇の短編にそれぞれ映画が纏わる趣向で、もちろんそれぞれに面白かったりホロリときたりで、そしてどの物語もラストに明るさがあり、ラストの「愛の泉」なんか大ハッピーエンド。当然読後感も上々。だけど、金城一紀だからそのくらいの小説はアリなわけでまあ当然。感心したのは、5篇の物語の主人公達が、ある町の区民会館ホールで開催された『ローマの休日』無料上映会に居合わせるという趣向。年代も仕事もバラバラな人達が『ローマの休日』を観に集まるまでのストーリーが良いんだな。

 考えていることも抱えているものも違う人達が同じ場所と時を共有しているってこと、当たり前なんだけど忘れられてることでもあると思う。そんなそれぞれに違った人達が、1本の映画ですこし幸せになれる、そんなことを願い表現するのが「物語」なんだと思ったよ。

●JEFF BECK『LIVE AND EXCLUSIVE』From the Grammy Museum
 当初ネット配信のみの音源がCD化されたという案内が届いたので即買い。近年のベックのギターは神憑ってるからね。2010年4月、LAにあるグラミーミュージアムで行ったライブを収録したもので、親しい人達を集めて行った限定ライブだったらしい。バックのメンバーは ロンダ・スミス(b)、ジェイソン・リベロ(key)にナラダ・マイケル・ウォルデン(ds)。愛しのタル嬢が抜けちゃったのでビジュアル的には90%マイナスだけど(笑)、演奏は流石に手堅い。でも、タル+カリウタの前リズム・コンビに比べると練り込みがまだちょっと足りない感じ。でもここはベックのギターを楽しむことだけで満足だよね。トーンとヴォリュームのコントロールが見事、アームのプレイは神業、エレクトリック・ギターをここまで弾きこなした人は他にいないでしょって感じ。ジェフ・ベック!爺さんとなっても恐るべし!歳は爺さんなのにルックスがぜんぜん変わらないんだもの、イヤになっちゃうね(笑) こりゃあギター魔神だな。
映画篇 (集英社文庫)/金城 一紀
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Live & Exclusive From the Grammy Museum/Jeff Beck
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