近藤ようこ『逢魔が橋』/向田邦子『男どき女どき』 | 音盤ながし

近藤ようこ『逢魔が橋』/向田邦子『男どき女どき』

 すっかり秋だねえ。お隣さんから栗をいただき、配達に行けばそこのお婆ちゃんから薩摩芋をいただき、車庫裏の我が家の胡桃の木からも美味しそうなクルミが落ちてくる。でも秋はおいしい話題だけではない。今夏の猛暑のせいで米の出来はかなり悪いらしく、稲作をしている友人達は一様に諦め顔。米作りを始めて、こんなに悪い年は始めてだ、とも嘆く。、、、、んん。熊も山から下りてきてるしね。

●近藤ようこ『逢魔が橋』
●向田邦子『男どき女どき』

 近藤ようこも漫画王国新潟の出身です。だからって贔屓にしてるわけでもなく、そんなこと知らなかった『仮想恋愛』(青林堂)の頃から好きな漫画家です。
『逢魔が橋』は最新作で舞台は中世日本「...その橋は 静かな山中に 人知れずあった...」と始まります。橋のたもとには橋守がいます。この橋守は、橋を渡ろうとする人々の心の底が見えてしまう人ならぬ者、、、。今や、このヒンヤリと澄んだ物語世界は貴重なものです。近藤ようこの漫画は漫画ならぬ漫画だったりするね。

 向田邦子『男どき女どき』は妻の本棚からしっけい。短編小説にエッセイが加えられている。テレビ・ドラマの人気脚本家としてしか知らず、それも「寺内貫太郎一家」のような見ていて面白いものしか知らなかったので、初めて向田邦子の小説を読んだ時(「思い出トランプ」だったか..)、そのいじわるな視線に驚いた。いじわるはひどいね。人の内面をあばき出す視線かな。そしてその視線の拗ねている感じが可愛いく、ああ向田さんて素敵な人だなと思ってしまう。ホーム・ドラマにヒヤリを持ち込む手腕は、この人の真骨頂だった気がする。
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