否定しない習慣

林 健太郎【著】


 


  



気になったところメモ📝(引用)



人間関係でもっとも大事なことは、「相手のことを否定しない」ことなのです。
これこそが褒めたり肯定したり、叱ったりするよりも何倍も効果的で、いい結果につながる人間関係をよくするシンプルな方法なのです。



本書で述べている「否定」は、よく言われる「でも」「だって」といった否定言葉を使うことだけではありません。
本書で指摘している「否定」
・相手の言葉や考え、行動の結果を認めない
・相手の話や意見を打ち消す、聞かない、奪って違う話をする
・相手のミス・失敗を責める
・悩みの相談などに対して真剣に向き合わない



否定しないマインドをつくるための基本的な考え方は3つあります。
1 「事実だから否定してもいい」という思考はしない
2 「自分は正しい」という思考はしない
3 「過剰な期待」はしない



あることについて、相手が自分よりも経験値が足りなくてうまくいかなかったとしても、すぐに否定するのは早計です。
こんなときは、次のように進めてみるといいでしょう。
・できていることを認める「その人はその人なりに精一杯やっている」
・次はうまくできるように「お願い(依頼)の仕方」を変える
まず、「その人はその人なりに精一杯やっている」という魔法の言葉を一度心に浮かべて、冷静になってください。そして、自分の行動にフォーカスを当てましょう。
「仕事の進捗状況を都度、確認して進めさせよう」
「買ってきてほしい洗剤の商品名をメモして渡そう」
「服のたたみ方を具体的に教えてから任せよう」
「『この商品について詳しい店員さんをお願いします』と、リクエストしてみよう」


「否定してくる人」への対処法
→ネガティブな言葉は、全部を受け取らない
「否定しない習慣」というテーマとは反対の話ですが、前項の女性の例のように、「否定されてしまったとき、悩まないようにする対処法」のお話をします。
相手が否定してきたときは、どんなマインドで臨むのがよいのでしょうか?
私は、ズバリ、「ざる」をイメージするのがよいと思っています。
「ざる」というのは、料理で湯切りなどに使う、あの「ざる」です。
相手が否定してきたとき、ボウルのように全部を受け取ってしまうと、正直、へこんでしまいます。
ですから、穴(すき間)だらけの「ざる」をイメージして、相手の否定のうち、いらない部分はすべてザーっとこぼしてしまう。
そして、役に立ちそうな、必要だと思われる部分だけを残す。そんなイメージです。 「『ざる」のように聞く」コツは、「いる」情報と「いらない」情報を心の中で分別することです。
否定の言葉、罵倒や叱責など、自分の中で「いらない」情報は聞き流して、大事な自分の気づきや学びだけを「いる」情報として、「ざる」の中に残し、「次からはこうしよう」と今後の行動に活かすのです。



話を聞いてくれる相手には、誰もが喜んで話してくれる。話しやすい相手には、アイデアも情報もしゃべってくれるということです。
→相手の話が終わってからの2カウント
まず、黙って相手の言葉に耳を傾けることができたら、大原則として、「相手が話し終わるまで黙ったまま」でいましょう。
途中で、何度も話をさえぎりたくなるかもしれません。
ここが我慢のしどころ。相手の言葉をさえぎってしまったら元の木阿弥です。
話をさえぎった時点で、それはもう、立派な「否定」だと思ってください。
そして、次のステップ。
 相手が言いたいことを話し終わったなと思ったら、そこから、最低約2秒は沈黙を続けてください。
頭の中で「い〜ち、に〜い」とカウントしてもいいでしょう。