言葉にできるは武器になる。
梅田 悟司【著】
《読書メモ》※引用だけでなくメモを含む。
◯「内なる言葉」と向き合う
・「内なる言葉」を磨くことで、「外に向かう言葉」も磨かれる。
・言葉を磨くことは、語彙力を増やしたり、知識をつけることではなく、内なる言葉と向き合い、内なる言葉を用いて考えを深めながら自分を知ることから始まる。
・そのために、1人時間を確保し、自分の感情を振り返り、どんな時にどんなことを考える傾向にあるのか把握することからスタート!
→「自分はこんな時に、こういうことを考えるのか」「こうやって考えたほうが良かったのではないだろうか」「次、同じような状況になったら、こう試してみよう」
・「内なる言葉」に幅と奥行きを持たせることが、よく考えることの正体である。
◯正しく考えを深める「思考サイクル」
・内なる言葉を磨く。唯一の、方法は、自分が今、内なる言葉を発しながら考えていることを強く意識した上で、頭に浮かんだ言葉を書き出し、書き出された言葉を軸にしながら、幅と奥行きを持たせていくことに尽きる。
・頭の中を記憶域と思考域に分けてみる。
・思考サイクル
①思考を漠然としたものではなく、内なる言葉として捉える。
②内なる言葉を、俯瞰した目線で観察する。
③考えを進めることに集中し、内なる言葉の解像度を上げる
・「アウトプットする」、「拡張する」、「化学反応させる」を実施するための7ステップ
①頭にあることを書き出す〈アウトプット〉
→とにかく書き出す。頭が空になると、考える余裕が生まれる。
・切り離されたA4サイズな紙がおすすめ
・先が適度に太いペンがおすすめ(水性ペンなど)
・大きな文字で書く
・スペースのない場合は付箋を利用する
②「T字型思考法」で考えを進める〈連想と深化〉
①の内なる言葉に対して、、、
・なぜ?:考えを掘り下げる
・それで?:考えを進める。
結局何が言いたいの?何がしたいの?どんな効果があるの?「それで?」と問うことで、本来の目的を思い出し、正しい方向に考えを進められる。
・本当に?:考えを戻す
ある程度考えが進んだところで!
具体的に突き詰め過ぎているときに、思考の迷子になりやすい。→抽象度を上げて、コンセプトに近い内容を考えるようにする。
③同じ仲間を分類する〈グルーピング〉
①で書き出し、②で広げた考えを整理していく。
・同じ仲間をグルーピングする。分類する、見直す、という作業を3回ほど繰り返す。
・方向性を横のライン、深さを縦のラインにして整理する。
・同じ仲間に名前をつける。
→重複はないようにする。時間、人称、事実、願望、感情軸を確認!
④足りない箇所に気付き、埋める〈視点の拡張〉
・横のラインを意識し、考えを広げていく。まずは横だけを!
・横のラインを意識し、考えを深めていく。
⑤時間を置いて、きちんと寝かせる〈客観性の確保〉
・時間を置く。2〜3日程度が目安。
⑥真逆を考える〈逆転の発想〉
自分の常識は、先入観である!
時間をおいてから、④の「足りない個所に気付き、埋める」
真逆を考える!
・否定としての真逆
・意味としての真逆
・人称としての真逆(誰の視点か?)
⑦違う人の視点から考える〈複眼思考〉
あの人(特定の誰か)だったら、どう考えるだろうか?なりきって考える!
自分との会議時間を確保する!
・頭がスッキリしている午前中がおすすめ
・週に数回、1、2時間
・「いつか」はいつまでもやってこない。やる気を行動に変える。
◯プロが行う「言葉にするプロセス」
心を動かすのは美文ではなく、さらけ出された気持ち、その熱量!
さらけ出し方:1.日本語の型を知る、2.言葉を生み出す心構えを知ること
1. 日本語の型を知ること
①たとえる〈比喩・擬人〉
自分の周り、または、相手が属するコミュニティで用いている単語を活用すると効果的!
②繰り返す〈反復〉
③ギャップをつくる〈対句〉
マイナスとプラス、ネガティブとポジティブを並べることが多い。
現在や過去を否定し、未来を肯定する物言い。
自分の言いたいことの逆を前半に入れることで、後半の本当に伝えたい内容を際立たせる。
④言いきる〈断定〉
文章を書いた上で「と思う」「も考える」といった言葉を一度排除してみる。→「ちょっと言い過ぎだな」と感じてしまうのであれば、自分の本気度が足りていない証拠。「しっくりきたな」と感じれば、断言できるだけ決意や熱意がある状態。
⑤感じる言葉を使う〈呼びかけ〉〈誇張・擬態〉
感情の高ぶりを隠すことなくさらけ出すことが、相手の心に響く言葉を生み出す方法
話すように書く
2. 言葉を生み出す「心構え」を持つ
①たった1人に伝わればいい〈ターゲッティング〉
みんなに伝えようとしても、誰にも伝わらない。
1人に伝われば、みんなに伝わる。
文章の前に「あなたに伝えたいことがある」と付けてみる→違和感や照れを感じないか確認。違和感あれば、手直し、考え直し。
②常套句を排除する〈自分の言葉を豊かにする〉
メール冒頭の「お世話になっております」→ふたりだけのエピソード「先日のお話は大変勉強になりました」
③一文字でも減らす〈先鋭化〉
全体の文章を書いたあとで、見直し、習性を加える。
全体の設計図を作り上げたうえで、一気に書ききる。
④きちんと書いて口にする〈リズムの重要性〉
⑤同時にこだわる〈文章に躍動感を持たせる〉
体験の幅を広げることが、動詞の幅を広げることにつながる。
⑥新しい文脈をつくる〈意味の発明〉
⑦何で非なる言葉をし区別する〈意味の解像度を上げる〉
自分だけの似て非なるものリストを作成すること。