読破!!
読んでしまいました。私としては本当に早く、新幹線、いや、飛行機並みの速さで読破しました。まる四日。これは凄いんですよ、本当に。
そう「私は産みたい」を・・・。
率直な感想として「凄い」と思いました。一言で表せと言われたこれしかありません。
そして私自身と置き換えたとき、果たして私は偉そうに「治療をしてました」といえるんだろうかと思いました。
私がしていたのはあくまで初期の治療、いわゆるタイミング療法のみです。それも半年かなぁー・・・。
治療を始めたのが10月。年を越して初めてドクターと会ったときに「今年はいい年にしましょう」と言われて「はい」と元気に答えた私。
そして「念のためだんなさんも調べてみましょう」といわれて検査。
そこで衝撃が走りました。「数が少ない」「元気がない」と言われたのです。
そのため私の側の治療は中断せざるを得なくなりました。
2つほど病院を回り、最終的な結論として、顕微授精を勧められました。私の「薬漬け」「注射漬け」はもちろん、夫の体にメスを入れる。そして私の卵と彼の精子を受精させ、私のお腹に戻す。そんな説明を受け、「そこまでして子供を産むべきか」と悩んだのと同時に、ずっとずっと私についてまわっている「不安」とが私に勇気を与えません。
その不安とは
果たしてこの目の悪い私に子供を守ってやれるのか・・・?
これはずっとずっともち続けている私の不安です。母は視覚障害者、父は肢体不自由。そのことを不幸とは思わせない。でも、小さい間、本当にこの両親で守ってやれるのかという不安と疑問がずっとずっとあります。もしも自然に、それこそ、野田さんの旦那さんの望んだ自然妊娠であったなら、その子はきっと大丈夫と思えます。でもでも・・・と思って踏み切れずに今に至っているのが現実です。また、薬漬けになるのにも抵抗がある。そして、私にはまだ問題があったのです。採卵をするとき、戻すとき、全身麻酔とのこと。あちゃぁーって感じです。なぜって、私、CPKという血液の酵素が人よりも高く、この酵素が高いと麻酔が効きすぎてそのまま天国にいっちゃうかもしれないのです。そのことを話したらあまりご存知でないドクター。心配が走ります。今はその知識も増え、対処できるそうですが・・・。そんな不安もでてきました。そして夫への手術。・・・
そんな様々なことを考えると止まってしまい、結局、奇跡を信じる気になりました。
そんな私が治療をしていたと言っていいんだろうかと思いました。排卵誘発剤はのんでいたものの、注射もひと月にたった一回だけしかうってなくて、それも半年続けただけ。
野田さんのように8回も体外授精を試み、失敗し、妊娠し、流産した人と一緒の土俵にあがってもいいのかと思います。
でも、この本に書かれている「つらさ」は分る。少しは仲間かなぁーと思ったりもして・・・。
この本の中に「不妊治療をしていると胸を張っていえない社会」と書いてありました。まさしくその通りですね。「こそこそと病院に通う」。そうだったなぁー。「事務的に今日がその日だからと夫に頼む」。うんうん、そうやったぁー。なんとも空しいというか、なんというか・・・。
結婚したらすぐに子供が出来る。出来ないとせかされる。そんな社会がなくなるといいのになぁー。何でもかんでも「お子さんは?」って聞かないでよぉーって思った時もあるし、今もある。子供のいない夫婦のほとんどは「子供が欲しい」と願っているんだと思う。そこに何も考えずに「子供・子供」というなよぉーって思う。雅子さまもきっとそんな気持ちだったんだろうなぁーって思う。いいやん、子供がいなくても。その言葉にどれだけ救われたか分らない。
少子化というならば、せめて治療費を保険適用にしてください。人工授精はともかく、体外授精や顕微授精は20万・30万は当たり前。それゆえに踏み切れない人たちもいるし、それゆえに後ろめたい気分になるのかもしれない。
いつものようにまとまりがない記事ですが、でも、この思いを吐き出したかった。伝えたかった。何かが心に残ってくだされば、私はそれで幸いです。
私のこの文章では伝えきらない「凄さ」を是非一度「私は産みたい」を読んでもらって味わってください。
最後に野田さん、どうぞ、あと10日ほど、安静に。お腹に赤ちゃんがしっかり住み着くまでの辛抱です。リラックスです。応援してます。勇気ある著書を有難う。
- 著者: 野田 聖子
- タイトル: 私は、産みたい