思いやる心 | のんべんだらり

思いやる心

 

今、巷を賑わせている話題といえば、なんと言っても中国の反日デモ。私自身はそのことについてどうのこうのいえた立場ではないけれど、その問題に関するニュースや討論を聞いているとふと自分が経験したことを思い出します。

 

私は大学2年生の夏休みにアメリカへf短期留学していました。アメリカでは大学の姉妹校の寮で生活をするのと、ホームステイをするという二つのパタンでまる一ヶ月すごしました(1週間は旅行でしたが)。そこでびっくりしたのが「アメリカ人は原爆のことを全く知らない」ということです。原爆を落とされた日本はやっぱりその悲惨さを「伝えよう」とします。でも落とした側のアメリカはどんなに悲惨な事が起こったかな~んて全然知らないのです。たまたまホストファミリーと行った図書館に“Black Rain”(黒い雨)の本があり、私が何気に「原爆が落ちた後に降った雨は黒かったらしいです」なんていうと「原爆はどんな被害をもたらしたの?」と聞かれて「原爆の事を知らない」と実感したのでした。私のつたない英語力では詳しく説明できませんでしたが、それなりに一生懸命説明してきました。それは凄いいい経験だったと今でも思ってます。

そしてもう一つ、大学で「日本女性史」と講義を受講しました。そのときに従軍慰安婦の話を始めて聞きました。その講義の続きがどうしても聞きたくて私はその次の年も先生に頼んで続きを聴講させてもらいました。そしてそれに関する本も読みました。

 

何が言いたいかというと、

 

結局のところ「自分がしたことに関しては無関心」になりがちだということです。

 

私たちは2つの責任を持っていると思います。

 

一つは原爆を落とされたたった一つの国としてその悲惨さを子孫に伝え、世界に伝え、原爆はダメ、戦争はダメと発信し続けること。

 

もう一つは戦争中にしてきたことをしっかりと「教える」ということです。私個人的には現代史から歴史の時間をしてもいいと思います。いつもいつも縄文時代から歴史を教えるから、現代史を教えられない。だから私たちは中国や韓国、そしてアジアの人にしてきたことを知らないんだと思います。目をそむけてはいけないんです。それもしっかり見て、そして、「戦争反対」と叫ぶと、その言葉に意味を持たせることになると私は信じてます。

 

私には子供はいないけど、私の大切な夫や甥、兄、従兄弟を戦争でなんかで殺されたくはありません。だからこそ、しっかり「知ること」が重要だと思います。そうすれば、お詫びがどうのとか言われることはなくなると思います。だって自分たちの心の中に「あーこんなひどいことを昔、自分たちの祖先はしたんだ」と刻んでいるから・・・。決してこびへつらうことはないけれど、したことはしたと認めることって凄く重要だと私は思います。

 

反日デモが日本の歴史認識と結びつくこと自体がおかしいことだと私は思うし、また、よその国の教科書のことをあ~だ、こ~だと他国に言われたくもないし、言われたからと言ってそれに応じて変える必要もないと思います。だからこそきっちりと「教える」べきだと私は思います。もちろん中国のあのデモは絶対に許していけないことであり、それこそ「謝罪」がいると思います。

 

そんなことを考えさられた「反日デモ」のニュースでした。