知ってもらうこと | のんべんだらり

知ってもらうこと


 今週の「87%」で、CPKという血液の酵素の名前が出て、なんだか「ドキッ」としたのと同時に、「あー、この言葉もこんなドラマに出るほど市民権を得たか」と安心した。 
 CPK=クレアチニンキナーゼという血液の酵素でこれが高いと、全身麻酔をかけるとそのまま死にいたる恐れがあるいう酵素である。
 なぜ私がそのことに反応したかというと、賢明な読者には想像がついている通り、私自身がその酵素が高いからであり、中学3年生のころから医者から「麻酔をする時はとにかく訳が分らなくてもいいからCPKが高いと言いなさい」と言われていたからだ。
 そして歯医者さんで局所麻酔をする時も、ガラスに足を突っ込んで(おいおい危ないぞ)膝小僧を十数針縫った時も、私はお医者さんに「CPKが高いんです」と言った。が、あまりちゃんとした反応がなくて「大丈夫かいな」と思いつつ治療や処置を受けていた。しかし、去年、胃カメラを飲み(表皮性胃炎と診断された)、その時一緒に血液検査をしたらやっぱり「CPKが高いですねぇー」と言われ、「そう言われてます」と答えた私。「とにかく手術の時はこのことを言いなさいと中学生の頃から言われてるんですけどね」という私にそのお医者様は「そうですね。でも言わなくても手術をするときは必ず調べる値で、この値が高いと分ると麻酔科の先生がちゃんと気をつけますから大丈夫ですよ」とのこと。でもでもやっぱり自分の事やし、分っていてそれが原因で死ぬのもシャクに触るしと思ってました。そんななかのあのドラマの一言。確かにドラマでも「麻酔が危ない」と言っていた。よしよし、ちょっとは市民権を得てきたぞと喜んだわけです。
 私の弱視もしかり、CPKもしかり、広まって知ってもらってナンボの世界って案外多いなって改めて思った。
 とはいえ、やっぱり私は麻酔と聞けば、たとえ局所であれ、全身であれ言うであろう。「CPKが高いから麻酔には気をつけてくださいね」と・・・。