舞台:劇団☆新感線プロデュース「港町純情オセロ」 @赤坂ACTシアター
全体評価(最大7つ星):★★★★★★★
価格評価(いくらの価値があったか):実際価格¥10,500→評価価格¥12,000
<感想>
ずーっと行きたくて、でもなんやかんやで踏み出していなかった『新感線』のお芝居。
シェイクスピア原作の悲劇を、1930年代関西の港町を舞台にして和製に。
パンフに“いまどきのシェイクスピアは、ようわかりまへんとお嘆きの貴兄に<新感線×シェイクスピア>第二弾”とあったけれど、まさに、「シェイクスピア・・・興味はあるけれど、、、とっつけないかも?」というエンターテイメント性をこよなく求める私にとっては大変興味深いうたい文句!
チケット取れなかったけど、当日引換券が手に入ったので初参戦!
橋本じゅんの芝居も、初体験!
率直な感想は・・・・・はまった~。。。
次回の髑髏城の七人、絶対いく!!!という安易な感想で申し訳ないけれど、いやいや、やはり面白いと評判のお芝居は、裏切りなく面白いのだ。。
人気のあるものは、片っ端から足を運ぶべきだな。。
とにかく、さすがの脚色、演出。
セット、音響、役者・・・すべてが、「一万円の価値はあるね」と思った。
テーマは、男の野望と嫉妬、というところだろうか。
地位や名誉のために全てを欺く男。
愛しているのに、愛すべき存在を信じられなくなる男。
それを見守る女たち、
同性愛者は敵とみなされる、そんな時代。
愛って一体なんですか。。。。。
信頼すべき人間に、巧妙な罠を仕掛けられたら。
それでも愛すべき存在を信じられるか?
うーん、深い。とても深い。
これ、同性の友人や信頼できる人だと話はちがうんだろうね。
やはり、男と女の愛ありきの悲劇。
出会って間もない男女・・・というのもミソでしょうか。
現代にもよくあるよね~
そして、男同士の嫉妬も根深い。
男という生き物の根底にあるもの。
野心。
自分にない能力や金への嫉妬と執念。
ラストは、本当に救いがない。
だれも幸せになれない。
だけど、ただただ暗い気持ちになるわけじゃない。
ちゃんと愛は存在するのだ。
だから、救われないことに、見ている側は涙するんだろうね。
内容への感想はそんなところで。
1部の見所は、私的には汐見(伊礼彼方)の酒場で歌うシーン。
てか、この役者さんダレ
??とかなり興奮するくらいかっこいいーーー!早速調べました、伊礼彼方。
基本ミュージカルの人なんだね。新感線の舞台に参加するのも初とのこと。客席からは顔がはっきりと見えなかったのだけど、役柄的にも、声や立ち居振る舞い的にも、絶対にかっこいい!と思って調べてみたら、がっつりハーフでやっぱりイケメン。チリ人のお母様と沖縄出身のお父様。そら、かっこいいわけだ!笑
いやいや、とにかくね、歌ってるシーンは必見。
酒場に居る女たちも惚れちゃうって場面なんだけどね、いやいやほんとにかっこよくて。。笑
てしつこいね、まぁ、そこはどうしても声を大にして言いたかった。
主役の橋本じゅんはもちろん、いい味だしてるー。この迫力を出せる役者ってなかなか居ないと思うし、ほんとに適役。
石原さとみは、やはりカワイイ。天然ぽさを出す役だったんだけど、こちらもはまり役。でも、これは他の役者でもよかったかな。
劇中に、アドリブっぽい箇所がいくつかあって、オセロ(橋本じゅん)にモナ(石原さとみ)がチューをするシーンでのオセロのセリフなんかは、毎回違うんだろーな~と思いながら、笑った。
主役はもちろんオセロなんだけど、登場回数やセリフの多さでは、オセロをだまし上げ、ラストの悲劇を作り上げる伊藤(田中哲司)がダントツ。
当たり前だけど・・・本当に役者ってすごい。笑
3時間もの大作で、これだけのセリフを覚えているのですから。。田中哲司、本当にすごい。
2部はいよいよ物語の佳境。
伊藤を慕う、ゲイの役沖本(大東俊介)は、1部ではキャラは立っているもののあまり際立つところがなかったけれど、2部ではかーなりイイ役どころ。
てか、大東俊介て・・・こんなゲイとかの役できるんだ。。とか失礼なこと思いつつ(申し訳ないけれど、演技派のイメージはなかった)、劇中の重要なシーンでかなり泣かせる演技をする。
2度ほど、やられました。
ここに出てる役者さんなんて、みんなうまいのは当然だけど、その中で基本テレビ俳優?で、通しで観たときに際立って素晴らしい役者ではない(と思っていた)大東俊介が、重要シーンではかなりぐっとくる演技をしてたなぁ。。
シェイクスピアの悲劇だから、そりゃもう、悲惨なラスト。
救いがないってこういうことを言うのね、というラスト。
でも
モナの、「肌の色が白くても心が黒い人も居る。逆にオセロさんのように肌が黒くても心が白い人も居る。大切なのは、同じ赤い血が流れているということ」というセリフと、ラストの演出が交差して、非常に心に刺さるラスト。
公演後、しばらく泣きやまないひともしばしば。
決して面白い話ではないけれど、それでも笑えるところがあって、鳥肌が立って、そしてグッとくる。
これぞ、エンターテイメント!
音楽、照明、セット、役者の演技力、全てに満足。
しいて言えば、本当はマイクって嫌。。
でも、このクラスの舞台は箱も大きいし、マイクないと無理だよねぇ。
新国立劇場(小劇場)でみた、『大人は、かく戦えり』クラスの箱だと良いねー。
ま、そしたらこの迫力ある演出は無理なんだろうね。
なにはともあれ、
もう一度みたい作品であることは間違いない![]()