2012年4月
このころ、ウィッグがばれるのではないかと心配で、外に出ることが少なくなりました
ガン発覚後は
息子の幼稚園のイベントも、全てを話している心許せる3人のママ友か主人に任せきりでした。
でも4月はそうもいってられなくなりまして、
始業式に恐る恐る気配を殺しながら、
まさに抜き足差し足のイメージで出席しました
幼稚園につくと、
いきなり後ろから、そこまで親しくないママ友から、
「久しぶりじゃーんどうしてたの?
なに、なに?ウィッグにしたんだ」
と。
いきなりばれてるし
血の気が引きまして、このケースでの模範解答を用意してなかったので、ただあたふたしてしまいました
「いいじゃん、いいじゃん似合ってるよなんか顔の雰囲気も変わったね〜」と。
勇気を振り絞り、平静を装い、
「ありがとうでも地毛なんだけどね」
「え?そうなの?」
と ジロジロ見られました
外の世界の怖さを思い知らされたこの時の私に、今の私からアドバイスします。
この頃は、放射線と抗ガン剤のダメージが蓄積してきて、腰は曲がらないし、手の爪も足の爪も浮いてくるし、親不知までかなり痛くなってきて、味覚もおかしくなってきて辛かったよねぇ
何だか……
辛かったことや、このときの息子のことを思い出していたら涙が止まらなくなってきちゃいました
そこは一旦、平静を装いまして、いつものようにアドバイスです
今は前向きとはいえ、苦痛と不安と必死に戦っていると思います。
何故か投与直後苦しくなり、副作用も大変な抗ガン剤ですが、あなたを苦しめるよりはるかにガンを苦しめて追い詰めて痛め付けてくれています。
ですから、西洋医学を信じて、でも頼り過ぎることなく、食事療法と、体を温めて、適度に運動したり、全てに感謝していれば、あと1年でほぼ元に戻ります。
だからどうか常に幸せな気持ちでいてほしいと思います難しいけど…
そして、笑えない状況でも無理にでもたくさん笑って下さい
あなたの好きなお笑い番組を観たらいいと思いますよ
ちなみにその頃の私は一人でいる時は笑えるわけもなく、暗く過ごしていました今では積極的に笑えるTVなど見ています。
そしてもうひとつ、結構重要です
どうかこのあとの息子の動きに注意して下さい
始業式が終わって、園庭で友達と大暴れしている息子を親友のママ友と微笑ましく見ていると、私に抱き付いてきました
未来の私からのアドバイスは届かず、かわいい息子を受け止めようとしたその瞬間、思いきり足を踏まれ浮いていた足の親指の爪をはがしてしまいました
もう、ウィッグがばれたことなんてどうでもよくなるくらい、痛くて痛くて
大声出してのたうちまわり、こんなかわいい息子なのに、しばらく憎たらしかったです
そしてこのあとしばらくの間、新しい苦痛として、足の指の痛みが加わることになったのでした 勘弁してくれー