勧善懲悪 | カメレオンの昭和的談義 Peace on earth........

勧善懲悪

子供の頃、私は漫画家になりたかった。
だから小学生時代は自分でストーリーを作り、
そして絵を描いた。

話の流れは至って平凡。
悪に立ち向かう主人公の話。

私は女性の絵が描けなかったので、
登場人物はみんな男だった。

描いた紙の総数は段ボール数箱位になっていた。

私の描いた悪には必ずバックに黒幕がいた。

例えば実体の無い悪の幻影が体を乗っとり、
卓越した力を手に入れた悪とか。そんなの。


一度だけ全知全能の悪をつくり、
その名前を破戒神と名付けた。
破戒神を描いた私はその夜具合が悪くなった。

その躰の様態はまるで人間と変わらなかった。

だから私は善と悪について、一晩中考えた。

ちょうどその当時、

『小説神髄』での坪内逍遥の話が気になっていた。

勧善懲悪とは…。

おそらくあれが人生で初めて眠らずに迎えた朝だった。

とにかく徹夜はやたら腹が空くなって思った。
その朝、何を食べたかなんて勿論覚えてなんかいないけど。