サンシュユとオウバイモドキとミツマタ | 湯戯三昧、蕎麦三昧できるかな?

サンシュユとオウバイモドキとミツマタ

前記事で『マンサク』を紹介しましたが、黄色い花木が目立つようになってきましたね。
ロウバイはいい香りを漂わせてくれてましたが、そろそろ終わり。所々で『黄梅(オウバイ)』も咲き始めています。
あ…『オウバイ』は梅じゃなくて、木犀科のソケイ(ジャスミン)属ですよ。
そして、コチラがオウバイモドキ


 オウバイモドキ-黄梅擬

◇科名:木犀科 
◇属名:ソケイ(ジャスミン)属(=Jasminum:アラビア語の「yasminヤスミニム=マツリカ:茉莉花」のラテン語。茉莉花はジャスミン茶の原料。 
学名: Jasminum mesnyi (=J.primulinum) 
英名は「Primrose jasmine」。

流通名は「ウンナン(雲南)オウバイ」 中国の西南部が原産です。

ジャスミンの仲間ですがジャスミンの香りはありません。わが国へは明治時代に渡来しました。

高さは1~2メートルほどになります。
オウバイ(黄梅)とよく似ていますが、花弁数が多く、花径も大きいのが特徴なのでオウバイモドキ。
またこのウンナンオウバイは常緑樹ですが、オウバイは落葉樹です。
枝垂れた状態で育ち、これから春先には黄色の花が株いっぱいに咲きます。
一重と八重のものがあります。 
黄色い花が梅に似ていることと、咲く時期が 同じことから、擬きなどと言う少し可哀相なこの名前になりましたが、梅とは関係がありません。
6月10日の誕生花です。花言葉は「気高い」
因みにコチラが👉カロライナジャスミン
そしてコチラも今咲いてる黄色い花。
サンシュユ(山茱萸)
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葉が芽吹く前に開花し、木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝くように見えるため『ハルコガネバナ(春黄金花)』とも呼ばれます。
難しい字ですが中国名が『山茱萸』で、和名はこれを音読みしたもの。

◇科名:ミズキ(水木)科 

◇属名:ミズキ属(Cornusコーナス=ラテン語の「cornu=角」が語源。材質が堅いことから) 
◇学名:Cornus officinalis(officinalis=薬用の、薬効のある)

茱萸はグミのことです。秋にはグミのような実がなります。赤く熟し食べられます。このことから『アキサンゴ』『ヤマグミ』とも呼ばれています。 
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4月中頃まで楽しめます。原産は中国と朝鮮半島。元々は朝鮮から亨保年間(1716~1736)に薬用植物として導入されたとされています。
中高年用の漢方薬として知られる八味地黄丸には、サンシュユの果肉が配合されています。
真っ赤に熟した果実(※正確には偽果)の種子を抜き、乾燥させたものも山茱萸という生薬。日本薬局方に収録されていて、煎じたものを強壮薬や腰痛、めまいなどの薬としてもちいるほか、酒に浸して薬酒をつくります。耳鳴りや動脈硬化、頻尿などにも有効とされています。
成木になると、木肌が多数めくりあがります。このめくりあがり方はサンシュユの特徴で、花や実や葉が無く、枯れ木になったとしても幹の木肌でサンシュユと判ります。
梅と同時期に、木一面に鮮黄色の小花を葉に先だって集めてつけます。葉の出るのは花が咲いてから。 
花弁は4枚です。ひとつの花のように見えますが、たくさんの花の集合(花序)で、それら全体を包むように4枚の苞葉があります。
同じミズキ科ミズキ属に『ヤマボウシ』や『ハナミズキ』がありますが、やはりサンシュユと同じですね。ただしサンシュユの苞片は黄褐色でハナミズキやヤマボウシのように大きくはありません。
モチロン、ヤマボウシのように花弁のようにみえることもありません。
開花後は花序に隠れて見えにくくなります。 
2月14日の誕生花です。花言葉は「持続 耐久 気丈な愛」

三叉ミツマタ

三椏/三つ叉

◇科名:沈丁花科 

◇属名:ミツマタ(Edgeworthia)属 
◇学名:Edgeworthia chrysantha(=Edgeworthia/エッジワーシア:イギリスの植物学者「M.P.Edgeworth夫妻」の名前 chrysantha:黄色の花) 

ジンチョウゲ科の落葉低木で、中国中南部、ヒマラヤ地方が原産で、3月の中頃から4月中頃が開花時期です。 枝が必ず3本ずつ分岐します。これが名の由来です。黄色の部分は筒状に発達した萼(がく)で、花弁はありません。花には芳香があります。葉は互生(ごせい)で,両面に絹毛があって、とくにうら面にに多い。 
我が国へは江戸時代初期に渡来しました。但し渡来時期については他に、万葉集に三枝(さきくさ)とあり、これがミツマタであれば万葉時代には既に渡来していた事になります。
「春されば まづ三枝の 幸くあれば 後にも逢はなむ な恋そ吾妹(わぎも)/柿元人麻呂」 
樹皮には強い繊維があり、コウゾ(楮)、ガンピ(雁皮)と共に和紙の原料として有名な植物の一つ。
日本の製紙技術は600年代の始め、高麗僧によってもたらされたとされています。当初は麻の繊維でしたがその後、コウゾによる紙すきが行われ、次いで700年代後半にガンピに変わり、ミツマタで紙をすくようになったのは意外に遅くて、1780年代の天明の頃とされています。
ミツマタは、しわになりにくく高級で、また虫害にもなりにくいので、1万円札などの紙幣や証紙・株券・地図用紙など重要な書類に使われます。強くて艶が有り、栽培が容易な事から、明治12年大蔵省造幣局が紙幣に応用し三叉を原料として紙幣を作ってから、三叉の利用度は非常に高くなりました。 
日本の紙幣の優秀性をになっています。その為、造幣局と契約した栽培農家によって栽培もされています。高知や岡山が有名な栽培地です。
「三椏」の「椏」はとも読み、「木の股」の意味があります。 
また、漢方の生薬名で「新蒙花(しんもうか)」と呼ばれて、解熱、消炎、及び、眼病薬としても用いられます。近年、赤い花の『アカバナミツマタ』が戦後、愛媛県の栽培地で発見されて、今では園芸品種としてよく栽培されています。