秋の野草《ヤマホトトギス》
あちこちに咲き始めているホトトギスの花。
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これに対してコチラは、開花は 2日間。
山杜鵑草(ヤマホトトギス)
見た目の違いはホトトギス属の大部分の種には花被片の下部にオレンジ色の斑紋があるのですが、ヤマホトトギスは花びらの折れたところに斑紋が入らず、花びらが反り返るところで判別できます。またホトトギス が1株に多くの花を付けるのに比べ、ヤマホトトギスは3~5個と少ないです。
◇科名:ユリ科(Liliaceae)
◇属名:ホトトギス属(Tricyrtis=トリキルティスは、ギリシャ語の 「treis(三)+kyrtos(曲)」が語源。三枚の「外花被」というところの基部が 曲がっていることから。
◇学名:Tricyrtis macropoda(=macros(長い、大きな)+podo(足)。
ヤマホトトギスは、茎の先や上の方の葉の付け根から長い柄をのばしていくつかの花をつけます。
つぼみが頂点から割れて、中央から折れるように広がって花が咲きます。
楕円形の葉はルリタテハなど蝶の幼虫が好んで食べます。
北海道から九州までに分布。草丈は 1m 弱。花は 2日間で、初夏から秋にかけて咲きます。花びらの折れたところに紫色の斑紋が入ることで多種と判別ます。
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この種はかなり個別の種が存在します。
名前も似ている。花も葉もそっくりなのですが、ヤマホトトギスの花びら程は下へ反り返らない。ヤマジノの方が開花が遅く、秋も深まってからです。花言葉は『永遠にあなたのもの』
俳句では、鳥と区別して草花のホトトギスは『杜鵑草=ほととぎす』で「草」の字を添えて用いて5音「ほととぎす」と読ませるようですね。現代表記の「時鳥草」の字を用いると「ほととぎすそう」と読み7音となります。「杜鵑草」とか「油点草」が仲秋の季語になっています。
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キバナノツキヌキホトトギス
コレは元気が良かった頃に御岳山で撮影
《シロバナヤマジノホトトギス(白花山路杜鵑草)》
ヤマジノホトトギスの花に斑点が入らない変種
《チャボホトトギス》
黄色く小さい花を付け、花は一日で終わる
《セトウチホトトギス(瀬戸内杜鵑草)》
近畿から中国・四国地方に分布する種でヤマホトトギスに似ている
《キバナノホトトギス(黄花杜鵑草)》
宮崎県に自生している種。ユリに似た黄色い花をつける。絶滅危惧II類(VU)
《ジョウロウホトトギス(上臈杜鵑草)》
「上臈(じょうろう)」とは、貴婦人とか高僧とかいう意味。四国の太平洋側の地域に特産する種類で、山地の渓谷の湿った岩場や崖に見られます。釣り鐘形で明るい黄色で長さ5cmほどの花を、葉のわきに1~2輪咲かせます。内側に赤紫色の斑点が多数あり、質は厚くてロウを塗ったような光沢があります。葉は幅広くて光沢は少なく、毛が生えていています。茎は長さ40~100cm、弓なりに伸びて垂れ下がるので、茎が垂れてもよいような場所に植えたり置いたりします。高知県に自生する種。10月上旬頃に咲きます。絶滅危惧IB類(EN)
《キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)》
和歌山県に自生する種
《サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑草)》神奈川県の一部に自生する種でジョウロウホトトギスに似ていますが小型。絶滅危惧IA類(CR)
《タカクマホトトギス(高隈杜鵑草)》
鹿児島県大隅半島の固有種。キバナノホトトギスに似た黄色い花。生育環境破壊により絶滅の危惧
《サツマホトトギス / イワホトトギス / タイワンホトトギス 》
沖縄県および台湾に自生する種。自生地が局地的のため絶滅危惧II類(VU) に指定
他にも《スルガジョウロウホトトギス(駿河上臈杜鵑草)》などがあります。
この属は日本、台湾、朝鮮半島に分布。
19種が確認されていますが、そのうち10種は日本固有種です。