春の花木が…其の三
初春の花木で《房アカシア(ミモザアカシア)》《ネコヤナギ》《三椏(アカバナ三椏)》《馬酔木》を、前記事では珍しい《ミヤマガンショウ》を記事にしてますが、この花木も目立つようになりました。
あちこち歩道の植え込みなどで見かける黄色の花。
レンギョウ(連翹)
◇科名:木犀科
◇属名:レンギョウ属(Forsythia:フォルシシアは、18世紀のイギリスの園芸家の名前
◇学名:Forsythia suspensa「連翹」(=suspensa:吊るす、懸垂の)) / Forsythia koreana「朝鮮連翹=シナレンギョウ」
この時期から約一ヶ月が開花時期です。前年の枝の各節に花がそれぞれ2~3個つきます。
中国が原産地で、古名を「鼬草(イタチグサ)」と言います。
ふつうの「連翹」と「朝鮮連翹」の2種類がよく知られています。
英語では「Golden bells」と呼ばれます。その名のとおり鐘🔔型の黄金色の4弁の花を枝にびっしりと咲かせます。
花がややうつむき加減に咲きます。花の咲き始めから葉が展開するので株が黄緑色に見えます。
これは多分…「朝鮮レンギョウ=シナレンギョウ」。どちらもよく似ていますが見分け方は、普通の「連翹」は花びらが丸っこいのに対し、「朝鮮連翹」は花びらが細長いです。花の最盛期を過ぎる頃に葉が目立ってきます。
よく見かけるでしょ。最もよく植えられているもので、生け垣などに利用されています。
書いたとおり園芸に適していますが、風通しが悪いとカイガラムシがつくことがあります。
連翹にはもう一つ、「スペクタビリス」という品種があります。海外から導入された新種です 。
丁度日にちのタイミングがいいですが(^-^)…
3月25日の誕生花です。花言葉は「達せられた希望」「情け深い」
日向水木
ミズキと名前にありますが、当然『水木』や『ハナミズキ』とは全く違います。
◇科名:満作科 ◇属名:トサミズキ属(Corylopsis=コリロプシス。ギリシャ語の「corys=兜(かぶと)+opsis=似ている」が語源 ◇学名:Corylopsis pauciflora(pauciflora=少数の花の)
学名にあるpaucifloraは、花姿は似ている土佐水木や支那水木と比べて一房の花の数が少ないから。
花は全体に丸っこく小さめで、また『トサミズキ』とは違い、雄蘂は黄色です。
「日向」の名前の由来は、日向(宮崎県)に多く植栽されていた事からと言われていますが、明智日向守光秀の所領だった丹波地方(京都北部)に多く植栽されていたから、という説もあります。
別名は『伊予水木』
コチラが其の…
土佐水木
◇科名:マンサク科(Hamamelidaceae) ◇属名:トサミズキ属(Corylopsis=コリロプシスの語源は、ギリシャ語の「corys=兜+opsis=似ている」から。
◇学名:Corylopsis spicata(spicata=穂状花序をもつ)
雄蘂の部分は茶色ですが、開花直後は赤っぽく見えます。 このあと花が開いてくると次第に色が変わってきます。
名前の通り、自生しているのは高知の土佐です。
蛇紋岩地帯と呼ばれる岩地なのですが、今では全国で植栽されています。
実際あちこちのお庭で見かけますので、岩地でなくとも、栽培しやすいのだと思います。
英名は『spike winter haze』
枝は雁木状に屈折しながら細い枝を多数出します。
コチラは3月18日の誕生花です。
花言葉は 「にぎわい」「伝言」
さて〜前記事で珍しいミヤマガンショウ(深山含笑)を記事にしましたが、コチラがご存知の辛夷。
かなり高い位置に花が着いていたので…判りづらいですが...
タムシバ (匂辛夷)
見た目にコブシに似てますが、コブシには花の根元に1枚の葉があるのに対してコチラはありません。
タムシバは高木型と低木型があり、西日本に分布するのは高木型で、東日本に分布する低木型とは雄蕊・雌蕊の数が大きく違うので、この二つの型は別種と考えられています。この木は樹木園にあったので多分西日本型。
漢字では田虫葉と表します。
早春に白い6弁花を葉に先立って咲かせます。
花には芳香があります。このことから別名が「ニオイコブシ匂辛夷」
他に「カムシバ」の別名があります。こちらは噛む柴で、葉を噛むとキシリトールのような甘味がするためにこの名前がつきました。これが転じて「タムシバ」となったといわれています。
この写真の葉のように見えるのは、花のツボミつつんでいたガク片です。この木はなかなか見かけないのです。去年は花の時期を逃した。
因みに…『キタコブシ』にも葉はないです。
◇科名:モクレン科 ◇属名:モクレン属(Magnolia=フランスの「Montpellier(モンペリエー)」の植物学教授「Pierre Magnol(1738~1815)」に因んだもの) ◇学名:Magnolia salicifolia(salicifolius=ヤナギ属のような葉の)
葉はコブシの葉が広倒卵形であるのに対し、タムシバは広披針形または長楕円形です。タムシバの方が細長く、葉裏もコブシは緑色であるのに対し、タムシバの葉裏は白味を帯びています。
またタムシバの葉は前述したように、噛むと独特の甘味があります。果実は袋果が集まった集合果で、タムシバの果実はコブシに比べるとやや小型で、形も捻じ曲がりません。
樹皮は灰色~灰褐色で、皮目が多く縦に並びます。
因みに、西日本に多い高木型は雄蘂数40~60で、雌蘂数30~50ですが、東日本に多い低木型は雄蘂数50~70、雌蘂数15~40と大きく異なっていて、これら2型は別種と考えられるそうです。
辛夷(コブシ)はこのように花の付け根部に葉っぱがある。
ちょっと判りづらいかな。
花の形は同じ。ね
シデコブシだと咲き始めは薄紫っぽい色。
野の花は満開に近い。
オオイヌノフグリ
ホトケノザ
ムラサキハナナ
さぁ〜あとはカタクリとかミスミソウとかショウジョウバカマを観に行くだけであります。