春の木花が賑やか | 湯戯三昧、蕎麦三昧できるかな?

春の木花が賑やか

一気に暖かくなりましたね〜。

あちこちに花が咲き始めて賑やかになってます。


《房アカシア》

コレはミモザじゃあ、ありませんよ。

まぁ別名で『ミモザアカシア』とも呼ばれますけど

流通名はミモザなのですが正確には【ミモザ(Mimosa)】は、オジギソウなどの植物の総称です。


◇科名:豆科 ◇属名:アカシア属(=ギリシャ語の「Akazo(とげのある、鋭い)」が語源)

◇学名:Acacia decurrense var. dealbata(decurrense :下に延びた、沿下した dealbata :白く塗られた、漂白された)


場所によって…ですが、この場所のはほぼ満開

《ユキヤナギ(雪柳)小米櫻

真っ白な5弁花。満開になるとまさに雪で覆われたようにとっても綺麗です。

公園などに植えられていることが多く、春先になるとこの弓なりの白い花をよく目にします。 

古くから庭木・茶花として親しまれていますね。

◇科名:薔薇科 ◇属名:シモツケ属(Spiraea=スピラエはギリシャ語のspeira=螺旋・輪」が語源◇学名:Spiraea thunbergii(日本の植物学の基礎を作った『カール・ツンベルク(Carl Peter Thunberg』の名から)

ツンベルク(17431111日~182888)は、スウェーデンの植物学者であり医学者。

著書に『日本植物誌』があります。1775年(安永4年)8月にオランダ商館付医師として出島に赴任しました。翌17764月には、商館長に従って江戸参府を果たし徳川家治に謁見しています。出島の三学者の1人。ツンベルグ(あるいはツェンベリー)の日本語の読みですが、スウェーデン語に近い発音表記ではトゥーンベリ☆(名前の中のhはこの当時の名前では発音しないのが一般的でした)

開花時期はだいたい3月から4月中頃ですよね。 

中国・日本が原産の花です。秋から冬にかけて紅葉し葉を落とします。

関東以西に自生していますので、庭木としてでなく見かける機会は多いです。 

花が散ったあとの地面も季節外れの雪が積もったように見え綺麗です。 別名の「小米(こごめ)~」は花が散ったあとを、雪ではなく米粒を散らしたようであることに見立てたものです。小米花・小米柳とも呼ばれます。 

実はまれにですがピンク色の花もあります。

2月26日の誕生花です。「静かな思い」「愛嬌」

2月26日(2.26事件の日・咸臨丸の日・脱出の日・パナマ運河開通記念日・血液銀行開業記念日)

このユキヤナギの別名が小米櫻となってますが、同じ様に白い小さな花で別名が小米花と呼ばれる花があります。

花が小さく、遠目に見ると『ユキヤナギ』に花の付き方に似てますが

シジミバナ蜆花

名前の由来は、蜆(しじみ)のように小さいからではなく、蜆の開いた貝の中にある身の様子に似ているから。中国では花の中央のくぼみをえくぼに見立てて『笑靨(しょうよう)と呼びます。

雄しべや雌しべは退化してしまっています。

◇科名:薔薇科 ◇属名:シモツケ属(piraea=スピラエ。ギリシャ語の「speira=螺旋、輪」が語源 ◇学名:Spiraea prunifolia(prunifolia=サクラ属(Prunus)に似た葉の)

別名が『櫨花(はぜばな)』『小米花(こごめばな)


三椏ミツマタ

お馴染みの春を代表する花ですが赤花もあります。赤花は突然変異種で主に園芸品種。

アカバナミツマタ(赤花三椏)
イメージ 2
三つ叉とも書きます
◇科名:沈丁花科 ◇属名:ミツマタ属(Edgeworthia=エッジワーシア。イギリスの植物学者「M.P.Edgeworth夫妻」の名前 
◇学名:Edgeworthia papyrifera(papyrifer,-fera,-ferum=紙を持った)

ジンチョウゲ科の落葉低木で、中国中南部、ヒマラヤ地方が原産

名の由来は枝が必ず3本ずつ分岐することから。

赤色の部分は筒状に発達した萼で、花弁はありません。花には芳香があります。葉は互生で,両面に絹毛があって、とくにうら面にに多い。

英名は『Oriental paperbush

黄色い普通の三椏の学名は…

Edgeworthia chrysantha(chrysantha=黄色の花)



沈丁花科だけあり、香りもあります。三椏の樹皮には強い繊維があり、コウゾ()、ガンピ(雁皮)と共に和紙の原料として有名な植物の一つ。紙の原料として知られていますが、「みつまた」が紙の原料として表れる最初の文献は、家康が1598年(慶長3年)に、修善寺の製紙工「文左右衛門」にミツマタの使用を許可した黒印状と呼ばれる、諸大名の発行する公文書です。当時は公用の紙を漉くための原料植物の伐採は、特定の許可を得たもの以外は禁じられていたそうです。それによると「豆州にては 鳥子草、かんひ みつまたは 何方に候とも 修善寺文左右衛門 より外には切るべからず」とあります。昔から貴族たちに詠草料紙として愛用された斐紙(美紙ともいう)の原料であるガンピも、ミツマタと同じジンチョウゲ科です。

我が国へは上記にあるように江戸時代初期に三椏が渡来したと言われています。但し渡来時期については他に、万葉集に三枝(さきくさ)とあり、これがミツマタであれば万葉時代には既に渡来していた事になります。

万葉集に登場するのは次の和歌です。

「春されば まづ三枝の 幸くあれば 後にも逢はなむ な恋そ吾妹(わぎも)/柿元人麻呂」 

コチラも目立ってきました。

馬酔木アセビ
「馬酔木」と書いてアセビ、アセボ、アシビなどと幾つかの読呼び方がありますが、現代の正式名はアセビのようです。
馬酔木は葉や茎にアセボトキシンと呼ばれる呼吸中枢を麻痺させる有毒成分が含まれて、馬が間違って食べたりすると酔ったようになり、足が不自由になる事から馬酔木と書かれたとされ、アシヒク(足痛)や足が痺(しび)れる事等が転化して「足癈(あしじひ)」アシビ、アセビになったと言われています。また、このことから、葉を煎じたものは殺虫剤としても使われますが、馬や鹿も食べない事からウマクワズやシカクワズの別名もあります。
◇科名:躑躅科 ◇属名:アセビ属(Pieris)
◇学名:Pieris japonica(=Pieris(ピエリス)は、ギリシャ神話の詩の女神「Pieris」の名前にちなんだもの/japonica : 日本の) 

学名でも判るとおり、日本原産のツツジ科の常緑低木です。開花時期は3月中頃から4月中頃。
壷形の花をいっぱい咲かせ、うす紅色のものと白のものがあります。 
スズランの形をした花が古くから愛でられ、万葉集にも10首も詠まれています。

「池水に 影さえ見えて 咲きにほふ 安之婢(アシビ=馬酔木)の花を 袖に扱入(こき)れな/大伴家持」

自生しているアセビは白花が多いのですが、赤味を帯びたアケボノアセビや、園芸種のベニバナアセビなど数種類があります。