椿《光源氏》他 | 湯戯三昧、蕎麦三昧できるかな?

椿《光源氏》他

溜まっている花の画像を出さねば😅これで今日3つ目の記事。エ〜と、二月に椿の記事をいくつか投稿して、去年は行くことが出来なかったので、「今年は茅ヶ崎市にある【氷室椿庭園】に行く😕」と宣言したのに、コロナ禍もあり、またまた今年も行く事が出来ずに終わってしまいました。

さてと、それじゃ小石川植物園で観た、遅咲きの品種でまだアップしていなかった椿の花を😅

遅咲きの品種は、ほぼ雪椿系の花です。

先ずはコレです。

1859年の「椿伊呂波名寄色附」に載る古い品種。

大概の椿園に植えられてる筈ですが、とにかく目を惹く綺麗な花ですよね~(((o(*゚▽゚*)o)))

《光源氏》

淡紅色地に紅縦絞りが入る白覆輪で牡丹咲き。
コレは既に少し花弁が傷んでますが、、、、、

◇Camellia japonica 'Hikaru-genji'

散りしべの大輪です。


コチラも1859年の「椿伊呂波名寄色附」に記載される 江戸期からの古典品種です。

イメージ 1

《宝合/たからあわせ》

白地紅色の縦絞、八重、蓮華咲。

イメージ 3

筒しべの中・大輪で、ユキツバキ系で花形に変化が多く、枝によって、桃紅地に白斑入りの花や、横杢斑の花、あるいは白覆輪の花などに咲き分けます。

イメージ 4

◇Camellia japonica 'Takara-awase'
優劣を競うように咲くことからの命名です。


《阿賀の里》

濃紅色の八重の蓮華咲きで中輪のツバキです。花径8センチくらい。蓮華咲きというのは横から見ると花弁と花弁の間に隙間があり、立体感のある花形。

花弁は中折して外へ曲がるのが特徴です。
新潟県阿賀町の民家の栽培種でユキツバキ系です。
◇Camellia japonica ‘Aganosato’

1966年に川村弥一さんによって発表された品種。


《後瀬山》
後瀬山は、福井の小浜市にある山ですよね。
枕草子に「山はみかさ山・おくら山・のちせ山」と並び称される名山の一つ。

万葉の歌人、坂上大嬢が「かにかくに人は言ふとも若狭道(わかさじ)の後瀬の山ののちも逢はむ君」と、燃える思いを詠み、対して大伴家持が「後瀬山のちも逢はむと思へこそ死ぬべきものを今日までも生けれ」と返しています。  淡桃色の八重の抱え咲き。不完全な筒しべの中輪。

これも1859年の「椿伊呂波名寄色附」に載る古い品種です。

さて最初に紹介した《光源氏》

【光源氏】と言えば、誰でもご存知の通り……この名前は勿論『源氏物語』からとられたものですが、椿の花の品種には《光源氏》の他にも「若紫」「紫の上」「浮舟」「夕顔」「葵」「朝顔」「夕霧」「空蝉」「紅梅」「匂宮」等の登場人物名が付いた椿や、「夢浮橋」「藤袴」「初音」「薄雲」などの巻名が付いたもの「源氏○○」「○○源氏」そして作者の「紫式部」の品種銘等、多数あるのです。
その中の一つ《空蝉》がコレ。
イメージ 1
あ……空蝉、読めますよね?
《空蝉うつせみ》
イメージ 2
1859年の「椿伊呂波名寄色附」に載る古い品種
◇Camellia japonica ‘Utsusemi’
イメージ 3
白色の八重で筒しべの中輪。

《熊坂くまさか》
紅色の大輪で八重咲ないし牡丹咲き。
イメージ 3
Camellia japonica ‘Kumasaka’ 
イメージ 1
*枝変わりに白斑入りの《花橘》があります。
イメージ 4
たいへん花つきがいい品種ですよね。
イメージ 5
花期が4~5月と遅咲きのために、古典種なのに比較的知られていない品種かもしれない。
江戸前期の【花壇地錦抄(1695年)】に記載される名花のひとつ。


コモミジ小紅葉 
◇Camellia rusticana 'Komomiji' 
イメージ 2
白~桃色地に紅色縦絞りで八重。
散りしべ(芯)の中輪です。

「覆輪一休-フクリンイッキュウ」はこの品種の枝変わりから生まれた品種です。

コレは多分、垣根とかでも観た事があるでしょ。
一番人気のある品種。
乙女椿
淡い緑の葉の中に華美な八重咲きの桃色の花をつけます。 花弁元から開き、花弁先は内側に反って大きく開くのが特徴。
蕊はほとんど目だちません。
 江戸時代後期には栽培されていた意外と古くからある品種。
ところで、椿の雄蘂ですが、いろんな形がありますよね。
筒しべ・梅芯・輪芯・割りしべ・散芯などがあります。
◎筒蕊=ツツシベ 雄蕊の形状が筒状になっているもの。一重咲、八重咲に多いです。先細りのものや、先太りのもの、また色も白に近いもの、黄色の濃いものなどがあります。
『閉じ芯』は、この筒蕊の一種ですが、葯が互いにくっついて離れず、先が砲弾状になっているものをいいます。
◎梅芯=バイシン 肥後椿に特有のタイプで、花糸は太く長くて、葯は広く大きく散開するタイプ。肥後椿の善し悪しは、この雄蕊に負うところが大きいといわれています。
特に花糸は太いものから、『もやし芯』『並芯』『糸芯』と3種類に区別されています。
◎侘芯=ワビシン 雄蕊の葯が退化したもの。従ってこの仲間は種子ができません。にもかかわらずこの種類が相当にあるのは、もともと【太郎冠者】の実生と、一重の藪椿、雪椿の枝変わりにより生じたものであるからといわれています。
◎輪芯=ワジン 筒芯が太く短く葯が輪状に並ぶもの。

最後に…

《トガリバツバキ尖葉椿》

Camellia cuspidata

ユカリツバキ》 と同じく中国原産の野生種のツバキです。葉が細く尖っており、小さな花が枝にびっしり咲きます。名前の付き方が二月に投稿した同じサザンカの仲間で、やはり中国原産の《 トガリバサザンカ》 があ ります。

で…コチラはサザンカ。

《ヒメサザンカ》
奄美大島より南の南西諸島に分布。名前は サザンカより花が小さいことからで、ウメの花よりも小さい
Camellia lutchuensis

暖かい地域では常緑なのですが、関東では 【サンゴジュ 【ホルトノキ】【テイカカズラ】のような紅葉が見られます。

 日本のツバキ科の自生種は『サザンカ』『ユキツバキ』『ヤブツバキ』 と、この『ヒメツバキ』の4種。