ショウブ | 湯戯三昧、蕎麦三昧できるかな?

ショウブ

ショウブです。そう、『菖蒲湯』でお馴染みのショウブ。
しかし…普通ショウブの画像で検索すると、同じ名前をもち、花の咲く『ハナショウブ』の方が多くヒットします。
どうも混同されることもあるようですが、両者は全く別の植物ですよ。
古くは現在のアヤメ科のアヤメではなく、この植物ショウブを指して「あやめ」と呼んでいたらしい。
コレが菖蒲の花です。一般的な花には見えませんけどね~。
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漢名の「菖蒲」を音読みしたもので、「菖蒲」と書いて「あやめ」と読ませることもありますが、本来は「菖蒲」はこちらの植物。
茎は湿地の泥の中を短く横に這い、多数の葉をのばします。葉は左右から扁平になっています。
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花はこのように目立たない黄緑色の肉穂花序で5月~6月ごろ咲きます。
花茎は葉と同じ形で、花序の基部には包が一枚つくのですが、これも花茎の延長のように伸びるので、写真のように葉の途中から穂が出たような姿になります。
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◇科名:里芋科 ◇属名:ショウブ属(Acorus=アコラス。ギリシャ語の「a=否定」+「coros=装飾」が語源。「美しくない花」の意味から。(*他にも諸説あり) ◇学名:Acorus calamus var. angustatus(calamus=管の / angustatus=狭い、細い)
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中国では古来より、ショウブの形が刀に似ていること、邪気を祓うような爽やかな香りを持つことから、男子にとって縁起の良い植物とされ、家屋の外壁から張り出した軒に吊るしたり、枕の下に置いて寝たりしていたのです。日本でも、奈良時代の聖武天皇の頃より端午の節句に使われ始め、武士が台頭してからは「しょうぶ」の音に通じるので「勝負にも通じることから尚武」という字が当てられるようになりました。
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漢方薬では『白菖、菖蒲根』にもなっています。
因みにコチラが→『アヤメとカキツバタとショウブ』の見分け方。コチラが→『花菖蒲』
アヤメやカキツバタ花菖蒲などは、全て【アヤメ科】ですがショウブだけが【サトイモ科】です。