フユノハナワラビとオオハナワラビ | 湯戯三昧、蕎麦三昧できるかな?

フユノハナワラビとオオハナワラビ

わらび餅ってお好きですか?植物のわらびの根を掘り乾燥させ粉にしたでんぷんを「わらび粉」と呼びます。このワラビ粉を使って作った餅の事を『わらび餅』と呼びます。もっとも、ワラビ粉を取るには手間がかかるので、最近ではわらび粉以外のでんぷんを使用するケースの方が多いようです。
わらび餅は、古くは谷宗牧の【東国紀行】(天文13-14年、1544年-1545年)には、「年たけて又くふへしと思ひきや蕨もちゐも命成けり」と、かつて食べたことのあるわらび餅を年をとってから再度食べたことについての歌が詠まれています。
これは、東海道の日坂宿(*現在の静岡県掛川市日坂)の名物としても知られており、昔は東海道日坂の宿の名物だったらしい。
また【和漢朗詠集】には「紫塵(しじん)の嫩(わか)き蕨(わらび)は人手を拳(にぎ)る」とあって、この「紫塵」(むらさきのちり)の訓読みがワラビの芽。
「武蔵野のすぐろが中の下蕨まだうら若し―」(長方集)
などと、昔からワラビが生活に馴染みがあった…事から書き始めましたが…このワラビは食用にはなりません(笑)....なんじゃ~そりゃ~(爆)
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胞子をつける葉が花のように見え ます。そう名前に花とついてますが、花じゃあないンです。
フユノハナワラビ 冬の花蕨
※撮影は2月7日です。
秋に伸び地上部は春には枯れるというサイクルを繰り返します。
日当たりのよい草地に生える多年草です。秋に生えて春に枯れ、子葉がワラビに似ていることからこの名が付いています。
冬に成長し出す花のように見える胞子をつけた葉を伸ばします。林内などで秋・冬にみ られるシダの仲間ですね。
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◇科名:ハナヤスリ科(Botrychium=「botrys=葡萄の房」の縮小形。房状をした胞子葉の外観による ◇属名:Botrychium ◇学名:Botrychium ternatum(ternatus=三出の、三数の)
植物分類状ではワラビとは…当然、別物です。食用のワラビと異なり、食べられないです。
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日本各地の山地・草地に自生しています。秋に根茎から一本の茎を出して栄養葉と胞子葉に分枝します。
花に見立てられる葉は、繁殖のための胞子を持つ葉なので『胞子葉』と呼びます。もうひとつのツヤのある普通の葉は、光合成をする葉なので『栄養葉』。
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栄養葉は羽状複葉で、胞子は軸に2列につきます。栄養葉の柄は長く、基部近くで胞子葉を分岐します。栄養葉は葉軸が三岐します。
小羽片は広卵形で鈍頭、辺縁は鈍い鋸歯があります。葉柄や羽軸は無毛で胞子葉は栄養葉より長く、上部につく胞子嚢穂は円錐状に丸い胞子嚢をつけ、秋に熟した後に枯れます。
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花言葉は『再出発』確かに…サイクルはそうですな.....(笑)

よく似ているのがコチラ『オオハナワラビ』です。※撮影は12月21日。
オオハナワラビ 大花蕨
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他にもよく似た『アカハナワラビ』 があります。見た目によく似ていますが、葉の先(鋸葉)が尖っているのが『オオハナワラビ』『アカハナワラビ』で、茎に毛がなければ『アカハナワラビ』です。『オオハナワラビ』は茎、葉柄、葉軸に毛があります。
◇科名:ハナヤスリ科 ◇属名:ハナワラビ属(scepridium=sceptron(帝王の持つ笏シャクの一種で,長い柄がある) 。葉上に高く挺出する胞子嚢群の形をそれに見立てたもの ◇学名:(scepridium japonicum
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なお『ナツノハナワラビ』というのもあって、春に芽吹き、夏に穂をつけます。『ヤマソテツ』なども胞子を付ける別な葉をつけますね。
因みに…ワラビはワラビ科ワラビ属で、学名はPTERIDIUM AQUILINUM SSP. VER LATIUSCULUM

ついで…
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冬の花火 ※去年の12月13日