フォレスト・ガンプが教えてくれたこと ― 愛と信頼の人生
私は長い間、どうして『フォレスト・ガンプ』という映画をこんなにも深く愛しているのか、よくわからなかった。人生のどんな時期に観ても、胸が熱くなり、涙があふれて止まらない。けれどその理由を、言葉にできずにいた。
後年、私は一歳になったばかりの娘を遺し、最愛の妻を喪うという経験をした。世界が静まり返り、時間さえも止まったように感じた。その痛みの中で、ようやく気づいたのだ。――なぜ、自分がフォレスト・ガンプを愛していたのかを。
人は生まれる前に、この人生で学ぶべき“課題”を自ら選んでくるのだという。魂は、まだ見ぬ未来の出来事をどこかで知っているのかもしれない。だからこそ、心の奥でその響きを知っている物語に強く惹かれる。
フォレスト・ガンプは、どんな困難に出会っても、愛を軸に生き続けた人だ。母を失い、ジェニーを失っても、彼は人を恨まず、過去に囚われず、ただ誠実に、目の前の人生を生きた。泣き言を言わず、怒らず、驕らず。ただ、愛することをやめなかった。
私はきっと、まだ知らぬ自分の人生の痛みを、この物語を通して“魂が予習”していたのだと思う。
フォレストの良さは、抗わないという生き方にある。漂うように生きるという、穏やかな強さ。映画の冒頭とラストに舞う羽毛のように、彼は風に身をまかせながら、どこへ流されても、自分を見失わない。
抗わないことは、諦めではない。それは、人生への深い信頼だ。何が起きても、それを拒まず、「きっとこの出来事にも意味がある」と受け入れる勇気。それこそが、本当の強さなのだと思う。
そして今、私は娘に伝えたい。人生は思い通りにはならないけれど、思い通りにならないからこそ、美しい。悲しみも、失敗も、喪失も、すべてはあなたを育てるために訪れる。だから、どんなときも抗わなくていい。泣いても、立ち止まっても、人生はあなたをちゃんと前に運んでくれる。
私はあなたに「強くなりなさい」とは言わない。ただ、「信じていい」と伝えたい。人生は敵ではない。人生は、あなたの味方だから。
そして私は今、心の底からそう思う。
何があっても大丈夫。人生は、大丈夫になるように出来ている。