5年程前のことですが、ひな祭りの時期になると、思い出すことがあります。

ある幼稚園から、こんな問い合わせを受けたのです。

「ひな祭り会用に、ケーキをお願いしたいのですが、実は卵アレルギーの子がいまして…。普通のケーキと、卵アレルギー向けのケーキ、両方お願いできないでしょうか?」

実は、

私の息子も、卵と小麦のアレルギーがあり、他の子と同じ物が食べられないという、もどかしさを味わっていました。

その気持ちがよくわかるので、たった1人のためであろうと、手間もかかろうと、

「同じケーキを食べさせてあげたい!」

と思い、普通のケーキはもちろん、卵アレルギー向けのケーキも、お引き受けすることにしました。

後日。

その幼稚園の先生が、わざわざお店に報告に来て下さいました。

「普段、何も言わない子なんですが、

『初めてみんなと同じ物が食べれてスゴく嬉しかった』

と教えてくれました!」

少しでも喜んでもらえるように、普通のケーキと、見た目は全く同じケーキに作ったのです。

「きっと口には出さないけど、ずっと我慢していたんだろうな…」

その子の気持ちを想うと、涙が出そうで、喜んで貰えて良かったなと、心から思いました。



もうすぐ、ひな祭り。

私の力不足で、アレルギーの子どもさんに対応出来るお菓子の種類は、まだまだ限られていますが、出来る限り対応させてもらいます。

少しでも「心が幸せになるお菓子」を作っていきたいと思っています。


ケーキハウス・シャンボール