言うまでもなく徳川家康の事である。
「名将言行録」副題として、〜人生の勝敗を決める知恵の書〜という渡部昇一氏の著書を読んだ。
タマには戦国武将の人となりを知る、或いは再認識するのも良いだろうとの思いから。
本書は、小説家であり文藝春秋の創業者としても知られる菊池寛が編纂した「評注名将言行録」を底本として、戦国の世の武将たちの姿を描き、それを学んでみようという趣旨でまとめあげたものと、著者。
その「評注名将言行録」には、さらなる種本があるという。
岡谷繁実という人の書いた「名将言行録」(現行版は人物住来社 昭和四二年)がそれである。
「戦国時代の名将二百余人に就いて、千巻の文献の中からその言動逸話を蒐集したもので、日本武士道の本質はもとより、当時の武士の生活や人物を知るに絶好の参考資料」と著者は評する。
著者曰く、この本の凄さは、戦国時代以降の武将に関する事も掬い上げ記録にとどめているところである。
(応仁の乱に始まる戦国時代は長く見積もっても百五十年程度なので、古典として書き残される程のものではなかった)
そういった貴重な戦国時代を含め名だたる名将たちの「人となり」を興味を持って読み進めた。
人間学の材料、命がけの武将たちが自分の子供や部下たちに言い聞かせて伝わってきたものであるという点でも貴重な資料でもある。
そこには、現代にも通ずる珠玉の言葉があった。
実に多くの武将たちが紹介されているのだが、ここでは代表として、トリに紹介されていた徳川家康のエピソードに触れて見たいと思う。
表題に取り上げた点についてなのだが、現在の日本の経済状況と照らし合わせ、ハテ?と思ったのだ。
“ある年の諸国に飢饉が起こる。物不足を心配した老臣が「倹約を申しつけますか」と家康に尋ねると、こう言いました。
(こんなときに、節約せよといえば、みんな餓死してしまうだろう。それより、日頃、家をつくりたいと思っている者は、武家でも町人でもその望み通りに豪華につくらせよ)
そして、それを記した触書を出させたのです。
するとこのときとばかり、我も我もとぜいたくな家を建て始め、おかげで貧しい者たちも仕事にありついて、一人の餓死者も出さなかったというのです。”
これは、不景気のときこそぜいたくをさせろという発想です。不景気になると節約するというのは一見適切な判断に思いますが、その結果、経済全体が縮小してしまって更に景気が悪くなってしまうのです。
どうでしょうか?
自国の国民の懐事情は顧みず、財務省主導の緊縮経済を強い、外国資本・外国人優遇の政策を取り、はたまた外国への支援金のばら撒きなど…。
どこかの国の首相に聞かせてやりたいような話ではないでしょうか?
多くの国民は疲弊してるでしょ。
コロナで零細企業やら、小さな酒場やら、食堂など庶民の憩いの場は、かなり潰れたでしょ。
(特に、飲食関係)
それが、まだ、続くんですよ!
(インボイスとか…)
国の首相たる代表は、まずは、自国の事を考えるべき。
現首相には、家康のような経済センスは微塵も感じられないし、これからも何か国民のためにヤルようには思えない、怒りと嘆きを改めて感じた次第。