またもや、久住昌之氏である。


オレは、気に入ったらその方向ばかりを攻める癖がある。


ゲラゲラ笑いが止まらない。


久住氏の人間考察及び表現には卓越した才能を感じる。


嫉妬心さえ覚えてしまうほどだ。(ウソ…)


それは、第五話の下りで披露される。


オモシロい温泉のことを書いてあるところ。


“まず、フロントの男性の、ハゲ頭が、雑だった

。最近よく耳にする「ハゲ散らかした」状態でさらに

放置、そのまま長髪になってしまったような頭だった。  

フロントでボクが名前を言うと、「はい」と言って、下を向いてそのハゲ部中心をこちらに提示するように見せるのだが、ヒドイ。頭が荒れ放題。パサパサボサボサの半白髪長髪が、ハゲ部に、枯れたツタのように絡みついて、いや、ハゲには絡みつくところがないから、のっかっている。かぶさっている。頭部が

、長く人の住んでいないボロ家のようだ。…。”


昭和の文豪を超えた正に、リアリズムを超えたリアリズムではないか!(何のコッチャ…)


リアリズムと言うよりも、そのまま直球で行くとハラスメント辺りになるが、スレスレのところでストーンと落ちて笑いに替える、マジックのような表現に徹するのである。


久住氏だけにクスッとワロてしまう文体とでも言おうか。


オレは久住氏の作家としての才能を、非常に高く評価します。


読み終えたあと、明るい明日が待ってるような気になりますよ。






しかし、こんな本読んでたら、飲みたくなるんだよなー(笑)そして、(泣)。