ॐ नमः शिवाय
現段階において、2023年2月6日(月)4時17分35秒(現地時間)に生じたトルコ・シリア大地震の被害者は数十万人と言われている。
M7.8とM7.5の大地震が2つ連発で生じ、発生から1日もたたないうちに死亡確認は3800人以上となり、過去100年で最悪の地震被害と伝えられている。

トルコ・シリア地震 2023年2月6日4時17分35秒 カフラマンマラシュ、ガジアンデプ付近

 

阪神・淡路大震災 1995年1月17日5時46分52秒 兵庫県淡路島北部

 

トルコ・シリア大地震の場合はマーガ・プールニマーからわずかに過ぎた時間帯(パルグナ・マーサのクリシュナ・プラティパダ)に生じている。
阪神淡路大震災の場合も満月をわずかにすぎた時間帯に生じているがパウシャ・プールニマーの次の日(マーガ・マーサのクリシュナ・プラティパダ)だったようである。

しかし、ラーシ単位で見ればカルカ・マカラ軸で生じた満月が過ぎたばかりという点では共通している。
したがって、スーリヤとチャンドラはそれぞれ同じラーシにある。
特筆すべき点はシャニがクンバに在住していることだろう。
これは先日、奇しくも1月17日に移動したものである。
そして、ラーフ・ケートゥ軸がちょうど反転している。
阪神淡路大震災のときにはラーフがトゥラー、ケートゥがメーシャであったのに対し、トルコ大地震ではラーフがメーシャでケートゥがトゥラーだ。
互いに互いのカルマを刈り取るように配置されていることは印象的である。
阪神大震災ではスーリヤ(加えてブダ)とヴァクラのマンガラがアビムカ・ドリシュティを組む。
トルコ大地震においてのスーリヤとマンガラも、やはりラーシ・ドリシュティを組む。
スーリヤから見てマンガラは創造のパールシュヴァであり、マンガラから見てスーリヤは破壊のパールシュヴァである。
いずれにせよ、アグニの力の高まりが舞台装置にすでにセットされていることを示唆している(マンガラはブーミ・プトラ)。
シャニがラーフ・ケートゥ軸とラーシ・ドリシュティを組むという点も同じである。
阪神大震災ではケートゥに対して3番目のグラハ・ドリシュティ、トルコ大地震ではラーフに対して3番目のグラハ・ドリシュティである。
トルコ大地震ではブダとグルのラーシ・ドリシュティという奇妙な組み合わせが2,5室で生じている。
阪神大震災ではシュクラを伴うグルが、スーリヤとともにあるブダと同じようにラーシ・ドリシュティを組む。
要するにブダとグルの関連はどちらにも見てとれる。
シャニとチャンドラのアビムカ・ドリシュティは在住星座が同じなのだから、当然のごとく双方で生じる。
不気味なことに、阪神大震災においてラーシ・ドリシュティを組むマンガラとケートゥが、トルコ大地震でもしっかりとアビムカ・ラーシ・ドリシュティを組んでいる。
この恐るべきピシャーチャは、地球の長い歴史において取り残されたカルマを刈り取るがごとくである。
両方ともグルはジャラ・ラーシにある。
そして両方とも、マンガラとシュクラはスティラ・ラーシにある。

ラーシ・ドリシュティとグラハ・ドリシュティを関連させるならば、阪神大震災で互いにラーシ・ドリシュティを組んでいたマンガラとラーフが、トルコ大地震ではラーフの2番目のドリシュティをマンガラが受ける形となっている。
阪神大震災においてシャニはグラハによるプールナ・ドリシュティをシュクラに投げかけているが、トルコ大地震においてシャニとシュクラはユティである。
つまり、シャニ、シュクラ、マンガラはスティラ・ラーシに鎮座している。
そして、スーリヤ・チャンドラ軸とラーフ・ケートゥ軸がチャラ・ラーシを貫く。これらは重要な共通項となっている。
かいつまんでいえば、シャニ、シュクラ、マンガラは互いにケーンドラ関係であり、スーリヤ・チャンドラ軸とラーフ・ケートゥ軸もまた互いにケーンドラ関係を構築する。
これらはまるで風に吹かれて倒れた十字架のようである。

阪神大震災はドヴィスヴァバーヴァにグラハはなく、その代わりにダヌのラグナがある。
トルコ大地震はドヴィスヴァバーヴァに特徴的なブダとグルのラーシ・ドリシュティを抱えるが、その代わりラグナはスティラ・ラーシのヴリシュチカである。

今期、特徴的な点はヴリシュチカに対してグル、シャニ、マンガラのグラハ・ドリシュティが集合することであるが、それも共通している。
注目すべき点は、両方を並べると、ラグナが危険なジェーシュタの最終度数域からムーラにかけて存在していることだろう。
トルコ大地震はラグネーシャの一つであるマンガラがMKSであり、もう一つの支配星ケートゥも12室に後退している。
阪神大震災もラグネーシャであるグルが12室に後退している。
阪神大震災ではチャンドラがMKSであり、4室(国土)の支配星グルが12室で損失する。
トルコ大地震では4室において強いシャニとシュクラがユティしている。
阪神大震災では地盤の不安定さ(4室ミーナで支配星12室)と人命の損失(チャンドラMKS)に主眼が置かれているのに対して、トルコ大地震では建造物の倒壊(ケートゥ)と土地そのものの問題(マンガラMKS、複数のプレートが衝突する地点)に主眼が置かれている。
もちろん、シュクラとチャンドラのラーシ・ドリシュティがどちらにも見られたり、グルとチャンドラのトリコーナ関係など吉星同士にも共通性がある。

以上はあくまでドリシュティの共通点を洗い出したに過ぎない。
探せばさらなる共通点が見い出せるだろう。

ちなみに「ブリハット・パーラーシャラ・ホーラ―・シャーストラ」においてパラーシャラ仙は、グラハ・ドリシュティより先にラーシ・ドリシュティを詳しく説明しており、ラーシ・ドリシュティは決してジャイミニ仙のみが説いたものではないことはここから理解できる。
グラハ・ドリシュティがイッチャー、すなわち欲望の産物で、あったりなかったりする一時的なものであるのに対し、ラーシ・ドリシュティは永続的に設定された舞台装置をあらわし、それぞれが創造、維持、破壊の知識と関係する。
したがって、表面的にはとらえにくい事実や隠された秘密、容易に変え難い構造的な問題はラーシ・ドリシュティによって読み取れるケースが多いのである。


自分より少しばかり早く、この地上から旅立った魂たちの冥福を心から祈るとともに、残された人々の一刻も早い救助を願わんばかりである。

ॐ नमः शिवाय