皆さま

 

「こんなはずじゃなかったのに」と

思うようなことが、起きたりするじゃないですか。

 

でも、実は、それを探って探ってみると

本当は、自分が望んでいたりします。

 

そのことを知っておくと、様々なことが起きても

ある程度冷静でいられたりするのです。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

「魂の望みに従って行き着く物語」

~売れ残ってゆく焼き鳥~

 

モクモクと煙をあげている

一軒の焼き鳥屋さんがありました。

 

うちわでパタパタと仰がれながら、

たくさんの焼き鳥が炭火で焼かれて

いきます。

 

その中でも、一番人気で一番最初に

売り切れるモモネギは余裕の表情で

焼かれていました。

 

他のつくねやレバー、皮、軟骨などなど

多くの焼き鳥がいますが、モモネギは

いつも最初に売り切れるのです。

 

そうして、全ての焼き鳥が焼き上がり

ました。

 

モモネギは、いつものように売れて

いきます。

 

他の焼き鳥たちもモモネギに負けじと

売れてゆくのです。

 

でも、なぜだか、急にモモネギが

売れなくなりました。

 

残り4本となってから、まったくもって

売れなくなったのです。

 

他の焼き鳥たちは、そんなモモネギを

横目に売れていきました。

 

どんどんと売り切れの札が

置かれてゆきます。

 

モモネギは、落ち込んでいました。

 

「何で僕が売れ残るんだ」

「いつもは飛ぶように売れるのに」

「何かがおかしいよ」

 

そうして、とうとう焼き鳥屋さんには

モモネギ4本だけが残ったのです。

 

「とうとう僕のブームは去ったんだ」

「もう、きっと明日からは焼かれないな」

 

そんな風にモモネギがガッカリと

しています。

 

すると、息を切らしてやってくる

おじさんがいました。

 

おじさんは焼き鳥屋さんの前に

着くなり、お店の人にこう言います。

 

「モモネギ、4本、残しておいてくれた?」

 

「もちろん」

 

「よかったー」

 

おじさんは、安心した表情を

浮かべてモモネギ4本を買って帰ります。

 

モモネギは、売れたのは良かったけど、

自分が一番最後まで売れ残ったことで、

プライドが傷ついたようでした。

 

どこか、不貞腐れているようにも

感じます。

 

そうして、おじさんは、家に着きました。

 

そうすると、おじさんは、

「モモネギ買って来たぞ!」と

袋を持った手を上げます。

 

すると、おじさんの子どもであろう

もう大人になった男女二人が出迎えます。

 

「ありがとう」

「ありがとうね」

 

そうして、モモネギを4本テーブルに

出して、おじさん、若いお兄ちゃん、

そして妹の3人で食卓を囲みました。

 

おじさんは、焼き鳥を1本取って

食べるのかと思いきや、女性の写真が

置いてある仏壇に置きます。

 

そうして、おじさんは、手を合わせました。

 

若いお兄ちゃんとその妹も同じように

手を合わせます。

 

「お母さん、好きだったからね」

「モモネギ」

 

おじさんと若いお兄ちゃん、その妹は、

味わうようにモモネギを食べていきました。

 

何かに想いを馳せているようにも

見えます。

 

4本あったモモネギのうち、3本は

見事に食べられて、串だけになっていました。

 

残った1本のモモネギは、女性が映る写真の前で、

早く売れようとばかりしたことを悔いています。

 

モモネギには、とても大切な役割が

あったのです。

 

そのことをまざまざと感じずには

いられませんでした。

 

そう、モモネギの魂だけが知っていた

この世での大切な役割です。

 

モモネギは、女性の写真の前で、

心の中で静かに手を合わせました。

 

【終わり】

------------------------------------------------------------------- 

執筆依頼なども承っております。

お問い合わせ・ご質問はこちらからどうぞ

------------------------------------------------------------------- 

この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。