皆さま
頭では、本当にやりたいことはこれだと
思っていても、不思議なことに奥深い
本当の自分は違うことを望んでいたりします。
それで、やっぱり人生は本当の自分が望んでいることを
行っていった方が、スムーズだし幸せになれるのだと
思うのですね。
そんなことをリスが教えてくれました。
鳥かごが似合わないフクロウも
登場します。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
-----------------------------------------------------------------------------
「心配性もそんなに悪くないと知る物語」
~リスだって心配さ~
森の奥深いところにリスが
住んでいました。
リスは、転機を迎えて新しい
仕事を探しています。
リスはせっかくの機会なのだから、
自分の希望に合った仕事に就こうと
思いました。
それで、思い付いた仕事が
事務のお仕事です。
長年、リスは、クルミ工場の
事務職として働いてきたのです。
だから、その仕事に再び就こうと
思いました。
事務の仕事なら、業界を選ぶことなく
どの会社にも必要とされることも
大きなポイントにもなったのです。
それと、リスは子育てを終えて、
ゆったりと働きたいということも
考えていました。
だからこそ、座ってできる事務の
仕事がピッタリと思ったのかも
しれません。
そうして、リスは事務の仕事を
探し始めましたが、面接を受けても
一向に決まりませんでした。
「経験はあるけど、少しブランクが長いね」
「事務の仕事だけだと、ウチは困るんだよね」
なんだかんだと理由を付けて
断られてしまうのです。
「あれ、おかしいな」
リスは、中々決まらない就職活動に
疑問を感じ始めました。
疑問を感じながらも、お散歩をしたり、
大好きな山登りをして気分転換を
しています。
「あ、こんなときはフクロウさんに相談しよう」
リスは、いつも相談事を聞いてくれる
カウンセラーのようなフクロウに相談
することにしました。
フクロウは、よくよく話を聞いて
くれたのです。
「それで、リスさん、事務の仕事本当にやりたいの?」
「やりたいっていうか、私はそれしかできないし」
「経験もあるから、待遇もいいし」
「でも、リスさん、そんなにうれしそうじゃないね」
「そうかしら・・・」
「むしろ、気が付いていないようだけど」
「リスさんが話してくれた、面接に行くときに」
「必ず会社の近くで他の小動物に道を聞かれるって」
「言ってたでしょう?」
「それで、自分の時間はギリギリだけど」
「小動物に道を教えてあげて」
「ありがとうって言われると」
「なんだかとてもうれしいって」
「そうそう、なぜだか聞かれるの」
「リスさん、そのときの話しをしている方が」
「すごく楽しそうよ」
「え、え、それがいったい?」
「本当にやりたいことは、内なる自分しか知らないの」
そう言うとフクロウは、静かにその場を
後にしました。
リスは、胸に手を当てて自分に
聞いてみています。
「本当にやりたいことは何?」
すると、自分の脳裏にやっぱり
小動物を道案内して手伝っている
絵が浮かぶのです。
リスもそれがうれしいことだと
感じていました。
「困っている小動物の役に立ってみる・・・か」
リスはそれに気が付いてから、
事務職の仕事を探すことを
やめることにしました。
もちろん、事務職だって、なくてはならない
大切な仕事のひとつです。
でも、このリスにとってもっと
やってみたいことが出てきたのです。
そうしてリスは、身体や心が
思う通りに動かない小動物たちが
たくさんいることを知ります。
その中でも多くの小動物が、
本当は働いて社会の役に立ちたいと
願っていることも知るのです。
「自分にできることはないだろうか?」
リスは、そうした働きたくても
働けない小動物たちのために、
自分の事務職としての知識を
教えることにしました。
それは、リスにとって勇気のいる
挑戦でもあります。
身体や心が思う通りに動かない
小動物たちに、それを教えて、
しかもできるようにしていけるのだろうか、
そんな不安もありました。
それでも、リスは、それこそが
自分のやりたいことだと信じ続けて
行動していったのです。
失敗と感じることも多くありましたが、
何度だってやり直していきました。
そうして、結果的には多くの小動物たちから
感謝される存在になっていったのです。
それこそが、リスが感じたかった
本当の歓びだったのかもしれません。
リスは、大切なことを教えてくれた
フクロウにとても感謝しました。
「大切なことを教えてくれてありがとう」
「自分のやりたいことが、わかりました」
リスは、今日も身体や心が思う通りに
動かない小動物たちのためにも、
そして自分のためにも動き続けるのです。
【終わり】
-------------------------------------------------------------------
執筆依頼なども承っております。
-------------------------------------------------------------------
この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。