皆さま

 

幸せになりたいんだけど、いったい

どこにあるの?

 

幸せになりたい人が急増中です。

 

しかし、幸せっていったいどこに

あるのでしょうか?

 

そんなことをこの物語が

教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「幸せはどこにあるのか探したくなる物語」

~家族って家族って~

 

とあるアパートの一室に

男性が住んでいました。

 

男性には、二人の子どもと

妻がいます。

 

四人家族のお父さんです。

 

男性は、仕事を終えて、駅から

アパートのある自宅まで歩いて

帰ってきています。

 

そうして、歩きながら、男性は、

よく振り返るシーンがあるのです。

 

それは、今から15年位前です。

 

男性は、仕事はしていましたが、

家族を持ってはいませんでした。

 

そのときは、当然だと思っていましたが、

ひとり暮らしのアパートに帰ってきて、

真っ暗な部屋にひとり入っていきます。

 

でも、男性は、このときにもとても

大きな孤独感を持っていました。

 

誰もいないアパートに帰って行くのが、

寂しくて悲しくて、とてつもなく怖くて、

そんな感情を感じる日々を送っていたのです。

 

いったい、男性に何があったのでしょうか?

 

それは、男性がひとり暮らしをするよりも

ずっと前のことです。

 

男性が小さい、少年時代のころにまで

遡ります。

 

男性の両親は、とても不仲だったのです。

 

最初にお父さんが出ていって、

やっとお母さんと一緒に仲良く

暮らせると思っていました。

 

でも、それからしばらくしてお母さんは、

病気で亡くなってしまったのです。

 

「なんで、こんなことになるんだろう」

 

男性は子ども心ながらに、そんな風に

思ったことを今でも覚えています。

 

だから、小さい頃に親戚の家で

過ごすことになりました。

 

その親戚の家では、あまりかわいがって

もらえることもなく、家でいつもひとり

ぼっちだったのです。

 

学校から帰ってきても、その家は、

なんだかガランとしていて、とても

空虚な感覚を増幅させました。

 

そのときの孤独感は、しばらく

続いたというわけです。

 

社会人になって、ひとりで暮らした

アパートも真っ暗で、空虚な感じがして、

まさに自分の幼少期と重なっていました。

 

「僕は孤独だ」

 

いつしかこの言葉がハッキリ自分に

当てはまっていると、感じるように

なったのです。

 

だからなのか、大人になっても男性は、

「家族を持つことが怖い」

そんな想いを抱いていました。

 

でも、本当に紆余曲折ありましたが、

大切なパートナーができ、ここでもまた

何度も足踏みしましたが、結婚をして

ここでも大きな恐怖感に襲われましたが、

子どもができて、四人家族へと変化

していったのです。

 

だからこそ、男性は、時折、今のこの

家族を持っていることに対して、

「夢なのではないか?」と疑うことだって

あります。

 

でも、こうして、仕事から帰ってきて、

歩きながら、昔のことに想いを馳せるのです。

 

「たしかに僕は孤独だった」

「たしかに孤独だった」

「でも、今は」

「でも、今は」

 

男性が見上げると、家族で住んでいる

アパートの2階が見えます。

 

明かりが灯って、子どもらしき

人影がちょこまかと動いているのです。

 

それを見て男性は、ホッと胸を

撫でおろします。

 

そうして、アパートの階段を上って、

部屋の前に立つのです。

 

「ピンポン」

 

男性は時折、こうして呼び鈴を

鳴らしてみたくなります。

 

「また、あなたでしょう?」

 

いつもの聞きなれた妻の声が

聞こえてきて、古びたドアが

開きます。

 

「ほうら、やっぱり」

 

少し呆れた妻の口調が、なんだか

愛おしくて、心地よくて、自然と

笑みがこぼれます。

 

男性は、大きな声で、言うのです。

 

「ただいま!」

 

「あ!お父さんだ!」

「父ちゃん!父ちゃん!」

 

「おかえり!」

 

二人の元気な息子たちが、

男性に駆け寄ってきます。

 

それを妻は優しく見守って

いるのです。

 

「お仕事おつかれさま」

「おかえりなさい」

 

「ただいま」と言って、「おかえり」と

返ってくる、ただそれだけなのに、

男性は、幸せでいっぱいの気持ちに

なります。

 

ただ、それだけと思っていますが、

男性が本当に欲しかったもの、

心の底から望んでいたものは、

「ただいま」と言って、「おかえり」と

返ってくる、ただただそれだけ

だったのかもしれません。

 

男性の家は、他の家と比べて

決して裕福ではありませでした。

 

そこにあるのは、周囲からみたら

「普通の家族」なのかもしれません。

 

でも、男性にとっては、気が付かないように

していましたが、喉から手が出るほど

欲しかったものなのです。

 

「ただただ普通の家族」

 

男性は、妻と二人の子どもたちと

食卓を囲んで、夕食を共にします。

 

普通に食べて、なんてことない

会話をするだけです。

 

男性は、料理を味わう振りをしながら、

今ここにある「幸せを噛みしめます」

その味はよくわかりませんでしたが、

とても暖かな空気がそこには流れています。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。