気体分子運動8 粘性流 | 【自然冷媒 「水」 のエアコンを創る】

【自然冷媒 「水」 のエアコンを創る】

ヤフーブログからの引っ越しです。当面は過去投稿記事保存が目的です。

2008/7/16初版、2009/7/14修正03
             気体分子の「流れ」の原理は、
        分子密度の高い方から低い方へ流れるだけです。
     その単純な原理と、各気体分子のアットランダムな動きが
       組み合わさって、複雑な動きに見えるだけなのです。
この記事は、【「分子運動CG図」に関してのお願い。】 を、必ずご覧下さい。

 図1
イメージ 1
この図は、配管の中を気体分子が流れてゆく  「様子」ですが、一見一定速で流れているようでこのままでは、いずれ流れが止まってしまいます。
(注:分子運動を「イメージ」で見る場合は除く。)


 図2
イメージ 2
図1の流れに、特定エリア の概念を当てはめると、左図の様になります。液体や固体では  「慣性の法則」により、この様な「等速運動的な流れ」はありえますが(摩擦を無視した時)、「慣性力」の働かない気体の流れではこの法則は当てはまらないのです。               このことは野球のボールなら遠くへ飛ばすことが出来ても、扇風機の風は2~3mも離れると風が来ないことと同じです。


 図3
イメージ 3
図2の様に、人も特定エリアと同じ速度で移動する「相対視」での気体分子の動きを観察すると、気体分子が壁に衝突した時には壁から流れに 対して後方へ向かう「速度ベクトル」(黄色矢線)を受けます。  この気体分子は他の分子に連鎖的に配管の内壁から受ける速度ベクトルを分散してゆくために、最終的には進行方向の各分子が持つ「動圧ベクトル」成分(特定エリアを参照)を相殺してしまうので流れが止まってしまいます。気体分子では壁に衝突した分子の偏向が  「瞬時」に全体に波及するのが特徴です。
 図4
イメージ 4
つまり、壁から受ける反対方向の速度ベクトルが一種の「乱流」となって全体に拡散するために、各分子の進行方向の「動圧速度ベクトル」が  偏向され流れなくなってしまうのです。      このことは「配管の内壁」を「流れの無い空気分子」と考えると、「扇風機の風」が遠くまで届かないと言うことと同じになります。


 図5
イメージ 5
ここで、進行方向前方の分子密度が後方よりも小さい場合を想定した時、図の赤球内の分子は分子衝突が発生する限り確率的に後方の「分子密度の高いエリア」よりも(黄色矢線)前方の「分子密度の低いエリア」に向かいます(緑矢線)。 「一方向に多数の分子が移動する」このことは「動圧」が発生したということになり後続の分子も連鎖的に追随して「特定方向の流れ」(動圧)が出来るということになります。


 図6
イメージ 6
以上のことから、分子の流れを連続的に持続させるには、進行方向前方の「分子密度」を小さくすれば「動圧」が発生する、言い換えれば「バラバラな方向成分」を進行方向にそろえることにより動圧が発生し流れを持続できるということなのです。                         注:この気体分子の「前方の低密度状態」は、 逆に「ピストン」などで「後方の高密度状態」を 作り出しても同じことになります。


 図7
イメージ 7
このことは、左の図の様に段階的な特定エリアのイメージで表現すると、常に進行方向前方の分子密度は後方よりも小さい状態を維持し続け、
配管内壁の分子衝突による「乱流」に  逆らって気体分子が流れてゆくためには、入口から出口まで連続して「動圧」が増加して行く「加速状態」
で無いと気体は管内を流れることが出来ないのです。

図ではサンプル的な分子の動きしか表現できませんが、膨大な数の分子の各分子間の  距離(平均自由行程)はナノレベルであり、分子一個一個の隣接する分子や内壁と上記  のような運動を連続かつ高速(秒速数百m以上)でやりとりをしています。
 以上の事柄により「新ターボインペラ」で気体の「流れ」を加速するには、
      常に後方よりも前方が「密度の低い状態」を作り出し
  分子を連続して加速し続けなければならないということになります。

 このことは新ターボインペラを設計する上で重要な「気体の流れ」の原則になるのです。



                    おまけ
 図8
イメージ 8
この流れは「イメージ」的には使えても、全分子の動圧成分が一方向になることは有り得ません【分子流】。しかしせっかく作ったのでUPしときます。(笑)  もしこの流れがありえるなら、水蒸気は秒速約600mで移動していることになります。。。。。と言うことは、少し「動圧成分ベクトル」の向きをそろえれば秒速2~30mの流れは簡単にできるということですね。(^_-)-☆





この記事はブラウザをIE(インターネットイクスプローラー)で観ると、極端に「イメージ」が違うので  【Firefox3(ファイヤーフォックス3)】でご覧下さい。
  分子運動をCGで表現する基本概念は                             【「分子運動CG図」に関してのお願い。】を、ご覧下さい。
この自然冷媒である「水冷媒」を使った「水エアコン」、または新開発の「ターボインペラ」に、関してのお問い合せ、ご意見、共同開発、技術提携などがありましたら             info@pid.co.jpまたはchallengeyu@yahoo.co.jpまでお願いします。
イメージ 9


この記事は以前に投稿した【 気体分子運動 】書庫の中の記事を、順次内容を修正、 加筆して「仕上げ」ながら再投稿しています。前回分のこの記事には暖かい励ましやご意見のコメントを頂きありがとうございました。



にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ(この文字をクリック)
↑毎回クリックしてもらえると、ブログ運営の励みになるので宜しくお願いします。m<(_ _)>m気体分子運動8 粘性流