2008/7/3初版、2009/2/05修正03
多くの天才的な科学者が気体の状態を理解するために、「体積」「圧力」「温度」などの概念を
定義し、いろいろな法則を発見してきました。
それらを「気体を圧縮する」という条件に当てはめ有効に利用するためには、気体分子の基本
的な動きがどのような状態になっているかを概念的に捉えておく必要があります。
図1
前回
【04-水蒸気の性質-2 温度と密度】の内容をもう一度簡単にまとめると
エアコンで使われる温度域15℃-40℃の範囲では、水を冷媒にするにしても他の冷媒にしても、密度の比率の変化はほぼ同じで、例えば左図の30℃の状態を20℃の状態と比べてみた時の分子密度は2倍以下です。
つまり、二つの箱の温度が同じ状態から20℃と30℃の温度差のある状態にするには、密度差が2倍程度になるまで分子を20℃側から30℃側へ移動させれば、20℃側では蒸発作用で温度が下がり、30℃側では温度が高くなり、この温度差がつくことになります。 (密度が2倍になることは体積を半分に圧縮することとほぼ同じです。)
水冷媒蒸気の体積は同じ温度の時のフロン系冷媒蒸気の 約2000倍であり、圧力は約2000分の一になります。
このことは左の図の黄色枠の移動のような「同じ体積移動」では同じ2倍の密度にするにしても、水冷媒蒸気の密度は
フロン系の約2000分の一なので効率が悪くなります。
次に、「気体を圧縮する」状態を分子の動きから見てみると。 |
図2
左の図のように、
気体分子の運動の基本原理は 「速度と方向」しかない |
ことが解ります。その分子の持つ質量、密度の違い、分子の性質、が加わることにより無限とも思われる組み合わせが出来この単純な動きが、コンピューターが1と0の組み合わせであらゆることが可能なように、分子運動やその動きが生み出
す各種の複雑な事象を具現しているのです。
図3
上の図の箱内の容積をピストンで半分にすると、内部の各気体分子はピストンの壁から力を受けて変化が起こります。
圧力は分子が壁に衝突する回数と質量による「衝撃力」 |
ですが、体積が半分になると言うことは分子間の距離も平均的に約2割ほど短くなり壁に対する衝突回数も増え圧力が増加します。
図4
この状態を図2と比べた場合にその違いは分子一個一個の速度の変化に現れます。
つまり、体積を半分に圧縮することにより密度が高くなり分子間の平均距離(平均自由行程)が短くなり時間当たりの衝突回数が増えることにより分子の平均速度が増加するのです。(箱外に放熱、凝縮しないとして(断熱圧縮))
以上のことは「ピストン」で体積を変化させ「圧縮」したときの様子ですが、
図2と図4、これを図1の20℃と30℃のときの箱内に置き換えると、この状態の違いは
図5
上記の結論「単に分子の個数と平均速度が変化しただけ」ということは、
図5の冷却サイクルにおいて
低密度の分子を加速して高密度側に送り込むことが圧縮の原理 |
であり、そのことさえ実現できれば
容積式のように「ピストン内」で圧縮しなくても圧縮が可能 |
だと言うことです。
その「分子を加速して送り込む」にはどうすればよいのかを、
次回より段階を経て順次説明してゆきたいと思います。 |
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