2008/7/6初版、2009/1/13修正02、2010/4/28修正03
水蒸気分子の流れを、各分子の動きを3次元ベクトルの方向成分に分解することによって解析する方法を簡単に説明します。 |
「3次元ベクトル」と聞くと「難解」だと思うかもしれませんが、CADなら複雑な方程式を使わなくても「ベクトルの基本原理」通りに作図するだけで簡単に計算できてしまいます。 |
図1
まず最初に図の「水エアコン」の冷却サイクルにおいて、気体分子の発生源である液面からの 蒸発の様子を三次元ベクトルに分解してみます。 |
図2
水面では常に気体分子の出入りがありますが、温度と圧力が平衡している場合は分子の出入りの個数が同じになり、蒸発状態になると飛び出す分子の方が多くなり(赤球)、凝縮状態では 逆に溶け込む分子の数が多くなります(緑球) (この辺りの詳しい解説は別の機会にします。) |
図3
この蒸発し飛び出してゆく分子の速度ベクトルは(緑矢線)、任意に決めた座標軸で各方向のベクトル成分に分解することが出来ます(朱色矢線)。3次元ベクトルの解析を方程式ですると恐ろしいことになりますが(笑)、CADで行うと「10秒」で出来てしまいます。 そして何よりも座標も方向も制限無くすばやく 「目の前で」解析してゆくことが出来ます。 座標軸はインペラ内の流れを追う時などは「相対座標系と絶対座標系」に分ける必要があり、HPの方には詳しく記述してありますがここでは省略します。 |
図4
この進行方向の3次元ベクトルを座標軸成分に分解した各々の軸方向成分の合計は、座標軸を作用面に合わせることで「静圧」「動圧」の解析を行うことが出来ます。 |
図5
これは流れの無い時の配管の中の分子の様子ですが、このままでは各分子の動きの方向や速度が判らないので、一瞬の微小な時間での動き(微分)を3次元ベクトルで解析します。 |
図6
サンプル分子(白球)の動きは、 座標軸のX軸を配管と平行になるように取ると、「進行方向」の成分は・・・・・緑矢線 「流れ方向」の成分は・・・・・赤矢線 「内壁方向」の成分は・・・・・水色矢線 の速度成分に分解することが出来ます。 |
3次元ベクトルで「方向成分」に分けることによって、「動圧と静圧」の強さや方向を知ることができます。 |
図7
このように3次元ベクトルの手法を使って、配管壁やインペラ翼の作用面に対して設定した座標軸を元に、 |
各水蒸気分子の作用を「ベクトル成分」に分解することによって |
水蒸気の流れを解析、考察して行くことが出来るのです。 |
図8
左図はインペラ内の水蒸気の流れをこの3次元ベクトルで解析している様子です。 |
3次元ベクトルをすばやく作図することで、方程式や数式で統計的に分析するのではなく各部分について加圧の方向を多くの「要素」を加味しながら総合的、直感的に、図形による「可視化」によって詳細に解析しています。 |
本ブログ記事での3次元ベクトル表示の大部分は「簡易表現」的に大雑把な表現で作画していますが、実際の分子運動の解析は図8のように詳細に行っています。 ただこのままでは解説が複雑になってしまい専門的過ぎるので本ブログでは要点だけをまとめた「簡易表現」であることをご容赦下さい。m<(_ _)>m |
この3次元ベクトルによる各部分の詳細な解析をすることにより、従来の方程式や数式による単一的な数値シミュレーションでは解明できなかった複雑な流体の動きを解析したり、流体シミュレーションソフト作成の基本原理に応用が可能だと考えています。 |
この記事はブラウザをIE(インターネットイクスプローラー)で観ると、極端に「イメージ」が違うので 【Firefox3(ファイヤーフォックス3)】でご覧下さい。 |
分子運動をCGで表現する基本概念は 【「分子運動CG図」に関してのお願い。】を、ご覧下さい。 |
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この自然冷媒である「水冷媒」を使った「水エアコン」、または新開発の「ターボインペラ」に、関してのお問い合せ、ご意見、共同開発、技術提携などがありましたら info@pid.co.jpまたはchallengeyu@yahoo.co.jpまでお願いします。 |
この記事は以前に投稿した【 気体分子運動 】書庫の中の記事を、順次内容を修正、 加筆して「仕上げ」ながら再投稿しています。前回分のこの記事には暖かい励ましやご意見のコメントを頂きありがとうございました。 |
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