気体分子運動15 ベンチュリー効果 1 | 【自然冷媒 「水」 のエアコンを創る】

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2008/8/2初版、2008/09/03修正01
ここでは「新ターボインペラの原理」の理解に必要な、気体分子の基礎的な流れの性質を「ベンチュリー効果」を例に使って説明したいと思います。(5回シリーズ)

        図1
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「べンチュリー効果」とは簡単に説明すると、図1の黄色で示したゲージのように
配管途中の管径を細くすると流速が早くなり、その部分の圧力が両端に比べて低くなる
と言うことで、ベルヌーイの定理により
    この一連の流れの「エネルギー保存の法則」が説明されています。
図1では流れを理解しにくいので、便宜的に流れにあわせて半透明の緑玉をいれます。  (この緑球は特定エリアではなく「流れの速度」のイメージなので注意してください。)
        図2
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分子の流れは中央部の管径の細い所の流速が早くなりますが、図の各断面(赤板面)を  通過する単位時間当たりの「分子の数は同じ」になります。
  つまり流量は一定と言うことになり「ベルヌーイの定理」に従います。


   この流れの状態を、「分子運動」からベクトルで解析してゆきます。
(3次元ベクトルの考え方は【3次元ベクトル】を参考にしてください。          管内の流れの原理は【粘性流】を参考にしてください。)
まず、図3で右側の太い配管部分の黄色枠の分子の状態を、2個の分子の例で見ます。
        図3
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3次元ベクトルのX座標を図の様に流れと平行に取り、「流れの無い時の分子の進行方向」を黄色矢線とします。この黄色矢線を座標成分に分解すると
* 水色矢線は配管に直交する速度つまり、「ゲージ圧」になります。             * ピンク矢線は「流れ方向の速度」になります。
「圧力」とは分子が単位面積に衝突する回数で決まりますが、各分子の方向成分に違いがあっても膨大な数の分子にならすと平均化されて一定の速度と衝突回数になります。
        図4
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 次に、この状態から流れが出来て動圧が加えられると、
* 各々のX軸に均等に赤矢線の「動圧成分」が加えられます。                * 各分子の流れ方向の速度は、赤矢線とピンク矢線の合計で表されます。         (図の白球のように必ずしも「流れの進む方向」に向かっていないことに注意が必要です。) * この3方向成分を合成して緑矢線の「分子の進行方向」が決定されます。
このように、この配管の「低速な流れ」の位置での分子の進行方向はバラバラで、多数の 分子による「方向成分の均一化」によりこの周囲の各分子の持つYZ軸成分の大きさはほぼ同じになり、各分子の方向成分の違いはX軸、つまり流れ方向に対しての速度の違いだけになります。
このことは【粘性流】にもあるように、流れ方向に対してサンプル分子(緑、白球)のようなX軸の速度の差が「分子密度の差」を生ずることになり、流れ方向に進む分子と逆方向に  進む分子の「数」の差が秒速数百m以上で移動する分子により瞬間的に連鎖し、流れ方向の速度(動圧)になります。
言い換えれば、流れ方向のX軸成分を持つ分子の「数」がその反対方向のX軸成分を持つ分子の「数」よりも多いため、瞬間的に「空白」を生じて、その「空白」に後続の分子が「確率的」に移動すると考えることも出来ます。

このように、管内の気体の流れは「慣性力」で移動しているわけではなく、多数の分子の持つ流れ方向の速度成分の違いによる「分子密度」の差が連鎖することによって移動しているのです。

     次回から順次、下図の位置をベクトル解析してゆくので宜しくお願いします。
 この解説は「新インペラ」の「仮想流」の概念を理解する上での一助になると思います。
        図5
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この記事は以前に投稿した【 気体分子運動 】書庫の中の記事を、順次内容を修正、 加筆して「仕上げ」ながら再投稿しています。前回分のこの記事には暖かい励ましやご意見のコメントを頂きありがとうございました。 今後とも宜しくお願いします。m<(_ _)>m


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