2018年12月8日、山道を足を引きづりながら歩いている僕がいた。歩きながら「引き際かな」と絶望した。


朝9時に鴻池パークを出発して平城京跡、県庁、奈良公園などの奈良市を堪能し天理市で折り返し鴻池パークに戻ってくる42.195kmの道のりを4時間26分もかかってゴールした。

全く練習せずに大会に参加していた頃を除けばワースト記録だ。

 

 動機を完全に失うと絶望になる

走り方のせいだろう。

昔から僕はふくらはぎを攣る癖がある。ネット上で調べつくして色んな対策をしてきたが奏功したものはなかった。年々、攣るまでの距離が短くなりこの日は12kmで発症。普段練習している何でもない距離だ。

過去に自己ベストを出した相性の良い大会で、そこそこ練習して挑んだ大会だっただけに悲しさを通り越して絶望したのだ。

 

ウルトラマラソン(100km)を6度完走するほど長距離走を愛しているが、普段の練習は決して楽しいものではない。辛いし孤独である。

人は自分が楽しいことをやるときに動機づけは必要ないが、それほど楽しくないこと行うときには適切な動機づけが必要だ。

僕がフルマラソンの練習をする動機は紛れもなく大会で自己記録を更新することである。

この日はよく歩いた。心肺機能は疲弊していない。でも少しでも走り出すとふくらはぎが顔つき変えて反発する。

 

長時間冬空の下、ゆっくり歩く。

これからのことを考える時間は十分あった。頭の中はネガティブ全開。

絶望だった。

 

 一夜明けて気持ちの変化

村上春樹さん著者

走ることについて語るときに僕の語ること」


走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。 僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。



今までやってこなかった練習をしようかな。

たった一日でも時間が経過するとまた違う景色の感情が生まれるのもマラソン。

自分に全く新しい目標を課そうと思った。


・大会がない期間でも毎月200kmを走る

・ジムの会員になってふくらはぎを鍛える


月間200kmの走り込みは、今まではウルトラマラソン前の2ヶ月間だけ。ジムに入会するのは人生初。

今まででは考えられないはるかに高い目標を掲げたが意地で一年間実行した。

成果が表れた。翌年走ったウルトラマラソンで初めて攣ることなくゴールすることができたのだ。



 人生は時折、挫折が必要

挫折は人を成長させる。

僕はたいしたトレーニングをせずともタイムは更新し続けていたため、結局のところ危機感がなく居心地の良いところだけのトレーニングをし、本当の弱さから目を逸らしていた。


自分ができると思っていることばかりをやっていても本当の意味での実力は身につかない。厳しい環境や背伸びをしても手が届かないかもしれない課題にチャレンジする環境に身をおくことで、初めて実力を伸ばしてくれる。


 子どもの鍛え方

昔から「かわいい子には旅をさせよ」と言う。

 

挫折もない快適な環境に長くいる場合は、危機感が次第に足りなくなってくる。新しい世界をみさせることで大きな成長が期待できると昔から言われている。


では具体的に何をしたらいいか。


子どもにとって居心地の良い環境というのは、地元の友達や学校の同級生と一緒にいて過ごし続けることだと思う。幼い頃から知った仲だからここにいるととても楽である。

だが、ここにいてばかりでは得られることは限られている。

たまには出来るだけ知り合いがいない場所に身を置き、色んな人から刺激を受けた方が良い。このことは、小学一年生の長女を通して僕が学んだことだ。


僕の子どもは僕ら夫婦が通勤する際に送迎しやすい保育園を選択した。その結果、保育園でできた大半のお友達とは小学校が異なり、長女はゼロから友達をつくらなければならない状況となった。

友達作りの一般的な流れを書き出してみるとこうだ。


1 話しかける

2 自己紹介をする

3 趣味など共通の話題を探る

4  気に入ってもらう

5 その子の友達を紹介してもらう


大人社会の営業職ではまぁ普通のことではあるが、この経験を長女が今一生懸命している。

少し前に下校の様子をたまたま遠目から見た日があったが、あれだけ恥ずかしがり屋だった長女が既に何人ものお友達と打ち解けあって笑いながら歩いてる。

保育園時代はお友達と会っても、お友達から挨拶してくれるのを待ってる子だった。小学校、大丈夫かな?と心配していたが、環境によってこんな短期間でも成長のスピードが違うんだと思った。


このスキルを身につけると、どこに行っても、どんな場所でも、誰とでも仲良くなることができる。居心地の良い閉じた小さな世界では出会えなかった人から気づきを得たり、思わぬ人と繋がったり、どんどん人脈が広がって趣味や遊びや仕事の幅が広がったりすると思う。


かわいい子であるからこそ意識的に外に出るか、環境を変えるように動き出した方がいいのだ。



育児から教わったこと挫折は人生の深みや幅を広げるために時折、必要である。居心地の悪い環境に身をおくと、良い環境に居続けるよりも成長スピードが速くなる。

 

よろしければフォローよろしくお願いします。この歳から始めて新しい友達100人できるかな。